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焚書 真珠湾

 時の為政者が書物を没収・禁書し、無かったものとしたいということは、自分達にとってよほど都合が悪いということは明白で、連合国軍総司令GHQが焚書し日本国民に知られてはいけないものの一つが大東亜戦争に関するものだ。
 正義の使者を演じるGHQは、大日本帝國が平和を求める米国に対し、卑怯にも宣戦布告も無しに真珠湾に奇襲をかけ騙し討ちをし、そのために敗戦し日本国民が塗炭の苦しみを味わっているのだと洗脳する。そのためには事実が書かれている書物があってはならない。
 そのうちの一冊が、ブレーク・クラーク著・海軍大佐廣瀬彦太訳「真珠湾」である。本書は著者である大学教授ブレーク・クラーク氏が攻撃があった時の様子を克明に記述したものに、廣瀬海軍大佐が翻訳し各章ごとに解説を付してある。
 本書は現在国立国会図書館デジタルアーカイブに登録すれば閲覧する事が可能で、下に一部を引用しておくので、自分たちの父親、祖父、曽祖父たちが卑怯な騙し討ちをしたのではなく、戦争を始めるしかないところまで追い込まれたことを、中高生にはぜひ知ってもらいたい。また、ダイレクト出版から同書の復刻版が発行されていることを紹介しておく。
 都合の悪い事実は勝者によって消されようとするが、どこかに真実は埋もれている。

序 文
 大東亜戦争が、天人倶に許さざるアメリカの挑戦によって勃発したことは、今更申すまでもない。本書、巻末に附してある「ロバーツ委員会報告書」が明かに証明しているように、当時敵は着々と戦備を整え、南方要域の戦略配備を一日一日と強化し、すでに十二月八日に先立ってその作戦計画を発動し、現に飛行機艦艇による日本近海の強行偵察、あるいはハワイ西域におけるわが潜水艦に対する攻撃など、まさに帝国をして、生か死か、討つか討たれるかの最後の関頭に立たしむるに至ったのである。
(略)

ブレーク・クラーク著・海軍大佐廣瀬彦太訳『真珠湾』鱒書房版 昭和18年刊 序文P1〜7

ホノルルの驚愕
【解説】 
(略)
ロバーツ委員会というのは、周知のごとく、大統領ルーズヴェルトの命により、大審院判事オーエン・J・ロバーツを委員長に、陸海空の代表的将星を委員として組織されたハワイ敗戦真相調査委員会であるが、この委員会が現地に出張して、一ヶ月以上にわたり調査究明した結果作製せる報告書によると、ハワイ惨敗の原因は、決して日本軍の「騙し討ち」にあったのではなく、まったく現地陸海軍当局の油断と無準備とにあったということを、明白に指摘しているのである。
(略)
日米戦争は、昭和十六年十一月二十六日にすでに勃発していたという事実である。あの日、国務長官ハルは、忍苦半年におよぶ日本の和協態度をふみにじって、我が野村、来栖両大使に対し、絶対に受諾不能の最後通牒にもひとしき暴慢無礼な挑戦状をつきつけてきた。これアメリカの宣戦布告でなくて何であろう。敵国の新聞サタデー・イブニング・ポストですら、「アメリカ人の一部には、日本の真珠湾攻撃を騙し討ちだと考えているものが相当見受けられるけれども、そういう人たちは、十一月二十六日に日本側に手交した米国の回答を、よく読んでみるがよい。日本の軍事行動は、十一月二十六日の、いわゆる果し状の当然の帰結として起ったものだ。騙し討ちだなどというのは、当らぬもまた甚だしきものである」と言っているではないか。
(略)
この戦争こそは、東亜および太平洋における覇権の確立を企図したアメリカが、わが国の正当なる地位と権利とを否認せんとしてあくまでわが国に対して強制したる戦争である。わが戦力を過小評価し、経済力を蔑視し、日本起つ能わずと侮り、あのような最後案を突きつけて、わが国の面目を完全に蹂躙して、もはやどうにも戦う以外には方法がないようにしておきながら、やむなく堪忍袋の緒を切った日本が猛然起って真珠湾に一撃を加えると、自国指揮官の怠慢や誤断は棚にあげて、騙し討ちだ不意討ちだと騒ぎ立て、もって開戦の責任をわが国になすりつけようとしているのだ。なんたる卑劣、なんたる陰険な行為であろう。
 このことについては、いづれ後の章で詳しく書くつもりであり、ここではただ戦争を仕掛けた張本人が米国であるということだけを、はっきり知っておいていただきたいと思う。

ブレーク・クラーク著・海軍大佐廣瀬彦太訳『真珠湾』鱒書房版 昭和18年刊 P15〜18


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