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トイレ掃除は女性の仕事?

大学を卒業して、総合職としてIT関係に就職しSEをした後に私は25歳で結婚した。
結婚後は、派遣社員として経理の仕事に携わるようになった。
板橋区にある某不動産会社で派遣社員として働いたことがある。
派遣契約としての契約内容は、経理全般だった。
初日に、職場に行くと高卒の若い女性社員たちがいた。
短大卒のパート女性もいたが、大卒の女性はいないようだった。
経理として、派遣されたのにまずは朝トイレ掃除をみんなでするので私にもするように言われた。
派遣内容にはトイレ掃除は入っていない。
そのため、私は派遣契約外であることを主張した。
そこで気づいたことなのだが、ここには高卒の男性も2名いた。
高卒の男性2名は、男性というだけでトイレ掃除をしなくてもよいという暗黙の了解があることを。
これに驚いた。
彼らは、男性であろうとトイレを使用する。
それなのに男性に生まれたからというだけで、トイレ掃除をしなくていいという男尊女卑のこの会社に驚いた。
そして、高卒の女性たちはそのことに何の疑問を抱かずにいることにも驚いた。
私は大学進学まで男女平等に育ってきた。
女性だからと言って、試験に落とされたことはない。
就職の際にも、SEとして総合職だったので男女差別を基本的に受けなかった。
しかし、社会には、職場には、高卒でも男性というだけでトイレ掃除をしなくていい。私は大卒なのに女性というだけでトイレ掃除を一緒にしてくださいと言われる。こんな理不尽なシーンに出くわした。
私は、派遣契約外なのでトイレ掃除はお断りした。
しかし、今度は10時と15時におやつタイムがありお金を毎月集めてみんなで当番を決めてお茶を出すという。
10時と15時に当番の女性数人がみんなに「今日は何を飲みたいですか?」と聞くのだ。
これもできれば契約外なのでやりたくないと派遣会社を通して伝えたがコミュニケーションの一環だといって許してもらえずいやいやすることになった。
ここでも驚いたのは高卒の女性たちは、この当番を喜んでしているということだった。
もちろん高卒の男性は男性というだけで、当番は一切ない。
私は、この時に思った。
私も男性に生まれたかったと。
なぜ大学まで出ているのに、女性というだけでこんなことを強要させられるのかと。
高卒の男性と大卒女性、どちらが偉いかといっているのではない。
男尊女卑について、女性たちが不思議に感じないことが問題なのだと私は当時感じた。
あれから25年が経過した。
こんな会社は令和の時代に存在していないことを願うばかりだ。


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