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懐かしき日々の譜

一昨日の夜ですが、 笠尾楊柳老師門下の田中徳治先生と青木女史のお導き🙏で、じつに30年以上ぶりに、青春時代の恩師とも言える阿部淳先生とゆっくりお話をさせて頂きました✨

当時高校生だった私は、中国武術に熱中しておりまして、蟷螂拳の大家・根本一巳老師に就いて、それはそれは打ち込んで学んでおりました。

根本先生は、日本の中国武術草分けのお一人で、驚異的な身体能力と溢れる武才で私たちを魅了し、またその交友される先生がたも雲の上の達人ばかり。思えば本当に良い時代を過ごさせていただきました。

ある1日、我々は根本先生に帯同され、江ノ島で合宿をされていた孫家拳の後藤英二先生のもとを訪ね、そこで合同稽古をされていた、ある伝説の武術家に基本を見ていただくという幸運を得ました。

その武術家、というのが阿部先生で、凄まじいエピソードとともに、あの根本先生が認められている方ということで、私たちも相当緊張しつつご挨拶をさせて頂いたのを覚えています。

それから始まった稽古はまさに地獄………午前中は低い姿勢での馬歩~弓歩~開歩の繰り返し。気温はドンドン上昇し、阿部先生の「開……」の号令が遠くに聞こえて来るようで、体育館には幾筋もの汗の道が……

膝は震え、意識は朦朧と、それでも「根本門下嘗められちゃなんねえ」と踏ん張りきってなんとか昼休み………ご飯なんか喉に通る筈もなく、日陰でノビて、気がつけば午後の稽古開始。

午後は更にキツい跳躍技「三不落地」。
イト歩から二起脚~後拍脚~旋風脚を号令の下延々と………。
恥ずかしながら私は旋風脚のときに意識を失い落下💦
先生曰く「水被ってこい!」
私は外水道で頭から水をかぶり、息を整えて再開………

阿部先生は最後に「彼らよく頑張ったよ。」と根本先生に仰って下さったと聞き、一同胸を撫で下ろしました。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

あれから32年………

あのカミソリみたいなキレッキレの阿部先生、にこやかな、しかしやはり若々しく素敵な紳士のお姿でご光臨くださり、共にワインを傾ける光栄を頂きました🍸✨🍸

「先生、あの小僧っこだった私らは、先生のお顔すら怖くて見れなかったんですよ❗」

「そんな、大袈裟だよ❗」

「先生、私跳躍で気絶したの覚えてらっしゃいますか??」

「う~ん、じつは覚えにないんだよね(笑)」

………やはり、あの日のぼくらは武術フリークの悪餓鬼ども。阿部先生からしては「根性みてやるか」くらいの軽いお気持ちだったのでしょう✨

しかし、あの日が遭ったればこそ、根本門下という意識も強まり、吐くようにキツい稽古も、くらくらするような恐怖にも、負けねえという気持ちで根性だそうという肚ができたんですから、ひとつのスタートだったんだな、と。

そんな啓蒙の恩師の温顔と………パチリ📸

先生がた、本当に楽しい宴を有難うございました❗✨✨✨

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