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なぜ私は歩行指導をしないのか

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

歩行指導について話していきたいと思います。

実は4/17に開催の

運動と医学の出版社主催の

園部俊晴の寺小屋の抽選に当たりまして

貴重なご経験をさせていただきました。

他院の方との交流もこのご時世では

なかなか叶わなかったので

いろいろ新鮮なものばかりでした。

そして今回の企画の中であったのが

「歩行指導はどのようにしているのか」

です。

これは高齢者であればよく聞かれる質問です。

私も何度も聞かれたことがあります。

「歩き方はきれいですか?」「どうやって歩けばいいの?」

もうこの質問は日常茶飯事ですね。

タイトルの通り

私は教えません。

そういう質問が来たときは

意識しなくても大丈夫というように返答しています。

その理由について

私なりに書かせていただきますので

よろしくお願いします。

それでは始めます。


歩行指導の真実

結論から申し上げると

口頭での動作指導は動作の非効率を招く可能性があるからです。

これは運動に対する注意に関係があります。

この注意に関しては過去の記事でも

触れていますが

また説明させていただきます。


運動に対する注意には

インターナルフォーカス

エクスターナルフォーカス

が存在します。


運動に対する注意の種類

インターナルフォーカス

インターナルフォーカスとは

身体の運動に注意を向ける注意のことです。

ピッチングでいうと

身体を大きく使って投げる

といったアドバイスがそれにあたります。

このインターナルフォーカスが顕著に出るのは

ボディビルですね。

身体の運動だけでなく、筋を意識するのは

まさにインターナルフォーカスです。


エクスターナルフォーカス

エクスターナルフォーカスとは

身体ではなく、使っている道具といったような

周囲の環境に注意を向けることです。

ピッチングでいうと

「キャッチャーのミットに投げる」

がそれにあたります。


この2種類の運動に対する注意ですが

実はエクスターナルフォーカスのほうが圧倒的に有利です。

インターナルフォーカスが必要なのは

初心者の動きそのものを教える段階(認知段階)ぐらいであり

それ以降はむしろパフォーマンスを低下させてしまうといわれております。

それに比べてエクスターナルフォーカスはインターナルフォーカスと比較し

あらゆる研究でパフォーマンスの向上が示唆されています。


歩行をどう捉えるか

先ほどパフォーマンスと記載しましたが

あらゆるADL動作はパフォーマンスに含まれると考えます。

そのように考えると歩行はどうなるでしょうか。

歩行は誰かに教えてもらったものでしょうか?

いえ、自然に無意識に獲得しているものです。

いってしまえば

人間というだけで二足歩行のプロフェッショナルといえます。

そんな誰もが習熟しているに違いないものに対して

身体の動かし方を意識して改善できるものなのでしょうか。

私はそのように思いませんし

無意識化で動きが変わっていくことが重要であると考えます。

少なからず歩行自体、CPGという概念もある通り

オートマティックに動くものです。

ですから私が出した結論は

歩行指導はしない、そして異常歩容のフィードバックもできる限りしない

です。

動きがいつの間にか変わっている

というのが治療において

重要と考えます。


まとめ

・歩行指導で歩行の効率が悪くなるかもしれない。
・そもそも歩行自体いつの間にか獲得しているものである。
・無意識化で動きが変わることが重要。


本日はこれで以上です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。








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