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秩父と日光 #日光門前に暮らす #68

高橋広野です.連休は秩父へ。このあたりは長瀞までなら訪れたことはあったものの、秩父は今回が初めて。電車を降りて駅を出ると、すぐに目につくのが、時代を感じる建物たち。町中の至る所に有形文化財建築が潜んでおり、長年の営みを感じる佇まいがなんとも落ち着く。

そんな秩父でのひとつの目的は、三猿に会いに行くこと。

三猿というと、真っ先に浮かぶのがもちろん日光の三猿だ。

「見ざる、言わざる、聞かざる」
 三猿は、「悪い方に導く言葉を聞くな」、「悪い行ないを自然だと見るな」、「理由もなく悪く言うな」という教え(「不見・不聞・不言」の教義)で、素直な心のままに成長させよという戒めだと言います。

この門前日誌にも、「見る、言う、聞く」のサブタイトルがついている。

日光の三猿に対して、秩父の三猿は「お元気三猿」と呼ばれているそうだ。

三猿といえば日光東照宮が有名ですが、同じ徳川家縁りの御社であるにも拘わらず、秩父神社の三猿は日光とまったく違った表情をしています。日光が古来の庚申信仰にちなんで、「見ざる・言わざる・聞かざる」なのに対し、秩父神社の三猿は「よく見て・よく聞いて・よく話す」お元気三猿として親しまれています。

秩父神社の三猿は、家康が。日光東照宮の三猿は、家光が。

つまり、日光東照宮よりも先に秩父神社の「お元気三猿」は造られていて、そしてこのどちらもが名工左甚五郎の作であるそうです。

いつまでも「よく見て・よく聞いて・よく話そう」。

門前日誌の起源はここ、秩父にあったようです。

髙橋広野

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