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日本酒概要

最近俺がはまっているたべものラジオは、毎回一つの食のテーマに拘って、様々な角度からうんちくを語り尽くしてくれるという番組なんだが、これを聴くと、その食に関する味わいが深みを増すという実感があったので、多少なりとも興味共感を覚えて貰えたならば、付き合えるところまで付き合って貰えれば幸い。
語ってる本人たちが、自分のことを変態呼ばわりしてるし、リスナーのことも変態扱いなので、くれぐれも無理はしないでくれ!(笑)



日本を代表するお酒、日本酒とは?

そもそも、日本酒という名称自体がおかしい。
イギリスではエールが名産だが、エールのことをイギリス酒といったりしないし、ヨーロッパ全域に広がるワインはワインでしかない、アメリカで生まれたであろうバーボンだって、アメリカ酒なんていったりしない。なのに、なぜか国名を冠して呼ばれる唯一の日本酒。
一応日本の酒税法では、『日本酒』ではなく『清酒』という定義が為されている。
結局、日本酒と呼ばれるようになった謂われは不明なんだが、清酒と呼ばれる前までは、単純に『酒』と呼ばれていた。
なぜならば、長らく鎖国をしていた日本において、酒といえば日本酒(清酒)しかなかったから。
勿論、酒の亜種として、みりん酎(かつてみりんは高級酒として楽しまれていた)があったり、焼酎があったり、白酒(甘酒とは違う)があったりするが、酒といえば日本酒という扱いだったようだ。

だがしかし、それは江戸時代までの話。
平安時代ともなると、様々な雑穀や果実から酒を造る技術が模索されていて、政府の中に造酒司(さきのつかさ)という部署があって、そこでは15種類もの酒が造られていたそうだ。
結局、食文化や生活習慣の変化、歴史のうねりで行けば、貴族から武士、武士から商人へと文化の担い手が移り変わるに従って、酒は統廃合や進化を経て、現在の日本酒へと落ち着いた。

ちなみに、ひな祭りの時に呑まれた白酒というのがマジで分からなかったから、調べた。

みりんや焼酎などに蒸した米と米麹を混ぜ合わせ、1カ月程度熟成させた後に軽くすりつぶして造った、白く濁った酒。アルコール分は9~10%程度で甘みの強い味わい。

例外としては、天皇の神事の為だけに作られる酒というのもあるらしいが、伊勢神宮での神事を一般庶民が見ることはできんので、永遠の謎だな。
…わざと灰を混ぜた黒酒とかいうのがあるらしい。



海外ではどう呼ばれてる?


少し前までは兎も角、今となっては『Sake』と呼んでくれている。
一時期は『Rice Wine』と、ある意味お洒落に呼んでくれていた時期もあったらしいんだが、なんせ、日本酒はWineとは全く製法課程が違う。
ブドウから作るWineは水すら使わずに葡萄の実と皮だけで作るが、日本酒はめっちゃ加水するし加熱する。
ワインは単純発酵だが、日本酒は三段階発酵。
なんならビールの方がまだ近いが、『Rice Beer』だと、炭酸の効いた酒しか想像できんから却下だな。『あらばしり』という炭酸が残ったまま売られる製品もあるが、発生した炭酸は抜いてしまって瓶詰めするのが主流だ。
その辺りをきちんと理解してくれた海外勢から、『Sake』という独自名称を与えられたわけだ。


酒のネーミングと木花咲耶姫(このはなさくやひめ)

草場一壽工房より

飛鳥時代では、なんせ漢字が定着していなかった時代だから、酒の呼称は、ササやらサキ・ミキといった表現で落ち着いてなかったらしい。
“サ”という文字に清らかという意味があった。
更に、キとケは男性詞にあたるらしい。
詰まるところ、サケないしサキは“清らかなる男っぽいもの”を意味示したのかな。
古事記の国造りで有名な、“イザナギ” “イザナミ”も、男性詞と女性詞との使い分けによるネーミングだとか。
”ミ”が響きが柔らかくて女性っぽいのはなんとなくわかりみ(笑)
ちなみに、会計を頼むときの「お愛想」って言葉は、女性専用の言葉なんで、男性が使うと…江戸時代ならオカマ扱いされる(笑)

酒のせいで名前が変わった食材もある。
鯛・鰹・鮪といった魚類、今では魚(さかな)っていうよな。
平安時代では、イオやらウオと呼ばれていた。
その一方で、酒のつまみとなるような惣菜のことを称して、“酒菜”(さかな)と呼んでた。ちなみにご飯のお供であるおかずは、”飯菜”(めしな)と呼んでた。
まあだから、当時の人からいわせれば、「酒の肴」なんて言い回しは「酒の肴の魚」なんてくどい言い回しになっちまうわけで、失笑もんだ。

このイオ・ウオがどうして魚と呼ばれるようになったかといえば、食の流通が広まって、大勢に魚が食べられるようになったことによって、「ウオって酒のつまみとして抜群だ!!」って認識が広まって、結果、”酒菜=魚”と変換されることとなったのであった。


この番組、情報量が多すぎて寄り道半端ないんだが、その寄り道ですら面白いから、はしょれねえ…💦


で、ええっと、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)は木とか花とか命の芽吹きを司る絶世の美女の女神様。
この方の旦那が瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)という天照大神の孫息子なんだが…いろいろ昼ドラなのでここに記すのは控える。
彼が地上に降り立った天孫降臨の宮崎県高千穂が神々しいのは保証する。
瓊瓊杵尊は現在の天皇家の祖!

んで、木花咲耶姫(このはなさくやひめ)が自ら醸した酒を振る舞ったというのが、伝わっている。

この当時だと、米噛み酒…米を噛んで唾液で分解して糖にして、その発酵を促して作られた酒だと思われる。

女神様の唾液混じりの酒ならって、ありがられたんだろうなあ…。


予告

この後、
酒は百薬の長とは本当か?
酒の種類が訳が分からない!
大吟醸は好みによる
酒の味の好みは時代によって変わる(豊かだと辛口好み、貧困だと甘口好み)
酒の造り方ダイジェスト(細かく解説すると無理なので、じわじわと解像度上げてく感じ)
アルコール添加は水増しではなく、江戸時代からの意味のある技術だった!

頑張って解説したい。


次章


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