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サブスクがもたらすゲームライフの変化は?

「Playstation plus」「Xboxゲームパス」「任天堂いっせいトライアル」
情報時代の昨今、急激に発展したサブスクリプションの波は、今やゲーム界隈にも完全に普及している。

今回は、このサブスクがもたらした「ゲームライフの変化」について、考えていきたいと思う。


○圧倒的なコストパフォーマンス

ゲーム界におけるサブスクリプション…正確には各ハードごとの「追加サービス」の年額は、基本的なタイプでこんな感じとなっている。

  • PSplus(エクストラ)→12ヶ月11,700円

  • Xboxゲームパス(コンソール)→1ヶ月850円(年額10200円)

  • ニンテンドースイッチオンライン(追加プラン)→年額4900円

最大の注目点はやはりコストパフォーマンスだろう。
適用されているタイトルはサービスによって変わってくるが、数百〜1000に迫る膨大なゲームを、年額1万円ちょっとで遊べるのだ。

今のご時世、フルプライスのゲームともなると8000〜1万円近くの値が張ることを考えると、ちょっと破格としか言いようがないお得感がある。

取り揃えているタイトルも、

  • デス・ストランディング

  • sea of stars

  • デモンズソウル

  • ゴーストオブツシマ

と言ったマストバイの超有名タイトルから、中々触れる機会がない小粒インディーズまで幅広いラインナップを取り揃えている。

多種多様のゲームに触れる「」を増やす点では、間違いなく多大なる功績を挙げているだろう。

○「いつでも遊べる」が齎す負の螺旋!?

では、サブスクはゲームライフにおいて幸福を齎す発明品なのか。実は、意外なところに大きな罠が仕込まれている。

AmazonプライムやNetflixなど、動画配信サービスで前々から気になっていた番組・映画が配信され始めて、いざ見ようと思った時。
こんな感覚に襲われた人はいないだろうか。

「いつでも見れるから、後回しにしよう」

そう、「いつでも見れる」事を理由にして折角楽しみにしていた視聴を先延ばしにしてしまう現象が度々発生してしまうのだ。
少なくとも俺は何度か経験した事がある。

映画館で上映されている名作を見に行こうとする時は、先延ばし症状に襲われることはない。
上映期間はある程度限られているからだ。

または、定価新品でゲームソフトやBDを買った時も、先延ばしのリスクは少ない。
数千〜万越えのコストを支払ったという事実は、コンテンツ消化のモチベに強く背中を押してくれるからだ。

しかしサブスクの場合はそうはいかない。
年額でも「新品ゲームソフト一本」同程度若くはほんのちょびっと奮発する程度のソフトを自由に遊べるという状況になった場合、自分でも怖くなる位には「いつ遊ぶ?今でしょ!」の思考が立ち上がらない。

これが1000〜2000円程度、10時間足らずの小粒ゲームならまだいい。
しかし、大企業から発売されるAAAタイトルに手をつけ、遊び切る為のモチベーションに火をつけるには、サブスクによる「コスト」は良くも悪くも少なすぎる、という贅沢な問題が発生してくる。

何をバカな事を……
そう思う人も、読者には多いかもしれない。
しかしプライベートの多くをゲーム娯楽に興じている人間からすれば、「コスト」が齎すゲームライフの質の影響は、決してバカになる問題ではないのだ。

もう一つ大きな問題がある。
昨今、CS系のサブスクでは、和洋問わずAAAタイトルの多くがサブスク入りしており、定価はおろかセール金額を払わずとも遊べる様になっている。

いい事ずくめの様にも感じるが…
裏を返せば、有名タイトルが発売されたとしても「今後サブスク入りしたら損になるのでは?」という疑いが、購入意欲への二の足を踏ませる恐れは十分にある。

実際には、発売から一年以内にサブスクに追加される大型タイトルは殆どないので、前々からそのソフトをチェックしていた人にとっては些末ではある。
ただ、年末年始・GW・BFと言ったイベントに合わせたセールを期待している人にとっては、若干水を差す問題であるのも確かだろう。

○「試食会場」としてのゲームサブスクの価値。

動画視聴におけるサブスクでは、「作品解像度の向上」という副次的効果が指摘される事がある。

例えば週一放映のアニメ・ドラマでは、地上波放映時では記憶が曖昧になっていて気づかなかった描写や伏線に、サブスクによる一気見で気づいて理解が深まった、という旧来のファンが多くいる。
ガンダムシリーズはその典型例である。

ただ、理論上「いつでも始められていつまでもできる」TVゲームにおいて、その利点を活かすことは難しいだろう。

そうすると、ゲームサブスクにおける最も大きなメリットは、「気軽に試し遊びができる」ことになるのだろう。

AAAタイトルは勿論だが、たかだか1000円位のインディーゲームであっても、「合うかどうか分からない」状況で買ってみる事は中々勇気が必要になる。

そんな中、年額1万程度を払ってサブスクに加入していれば、いつでも気になったゲームを遊べるし、気に入らなければいつでもやめられる。

この辺は各メーカーも気づいているようで、PSplusプレミアムでは新作ゲームの2時間トライアルが可能だし、任天堂のいっせいトライアルは小粒なゲームを一週間、お試し感覚で遊べる。
趣旨とは異なるがsteamでは購入後二週間以内、プレイ開始後2時間以内なら返金も可能である、という事らしい。

○新世代に入ったゲームサブスクの将来は?

現行のゲームサブスク(PSplus、ゲームパス、ニンテンドースイッチオンライン、Apple arcade)は、基本的な特徴として

  • 複数のサービスと抱き合わせ(オンラインプレイ権利、データクラウド、特典セール等)

  • ソフトの取扱がダウンロード制に。原則、オフラインでも遊べる様になった

辺りが挙げられる。
ネット配信型のPS nowは控えめに言っても流行らなかったのだが、現在はDL版をインストールできる環境があれば誰でも利用できるのは、非常にありがたいところだ。

ハードとネット環境があれば誰でも、数百本以上のタイトルを遊べる…点から、ゲームをたまに遊ぶ程度のライトユーザーにとっては理想的なサービスだと思う。

年額1万越えとなると高額に感じられるが、セール中であっても数本ものゲームを買っていけば余裕で手が届いてしまう金額である。
昨今、ゲーム価格も高騰している中、その程度なら十分にお釣りが来るコスパだと思う。

一方、自分みたいに「ゲームに多大な資金と時間を費やしている」ゲーマーになると、イマイチ利点を活かしきれない。
そういう人はコスパなど考えずに気になった新作ゲームの「体験」に飛びつくだろうし、例えDL派であっても気になったゲームは「所有したい」欲がある。

任天堂ではその辺の欲を上手く満たすためか、自社タイトル2本をダウンロードできるカタログチケットを1万円で販売している。

新作タイトルも実質セール購入できるわけで、ソニーもMSもなんで真似ないのか?と思うくらい良くできたシステムだと思っている。
ただ、自社IPがしっかり育成できている任天堂だからこそのアイディアではあるんだろうね…

こうして見ると、ゲームという娯楽においては「触れて見る」ことに、サブスクの効果が発揮される様に思える。
その効果はライトユーザーだけでなく、ゲーマーにとっても大きなメリットがあると思う。

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