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note始めました。

将来の夢かぁ。
手元の紙を見つめながら、私はこめかみを人差し指でたたきながら考える。
ひとまず好きなことを上げてみよう。
本を読むこと、絵を描くこと、カラオケをすること、ヨガをすること・・。
一時期は図書館で飽きるほど本を借りたっけ。
小説が多かったな。実用書も読んだけど。
このところは受験勉強が忙しくて、図書館に行けないんだよな。
なんでこのタイミングで将来の夢なんて聞くのかな。
行く大学にはあまり関係ないと思うんだけど。

「説那。文化祭の冊子に載せる短編できた?」
「できてるよー。」
私は文芸部の友達に手に持っていた用紙を渡した。今回はリレー小説だ。一人が書いた短編にリンクするように、短編を書いていく。私の前は待ち合わせ中にいろいろ考えている女子のことを書いていたので、私は同じようにいろいろ考えている待ち合わせ相手の男子のことを短編に書いた。
「当日はお手伝いできなくてごめんね。」
「美術部の作品も描いているんでしょ?忙しいのにごめんね。」
「書くの楽しいからいいんだよ。」
私は普段美術部に所属している。しかもなぜか部長である。絵をかくのは好きだけど、先輩たちのように美大に行きたいとは全く思わなかった。
趣味は趣味でしかないのである。

もうこれでいいや。
私は机の上にある紙に書き込んで、提出箱に入れた。
そこにはこう書いた。
『小説家』と。

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