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特殊設定恋愛小説

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「特殊設定」を取り入れた恋愛小説。 少し不思議な恋愛小説をまとめてみました。
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#不思議

【随筆】新しいジャンルを作り出したかもしれない話 ♯特殊設定恋愛小説

いつも、私の創作物を読んでくださる方、スキをくださる方、フォロワー様、こんにちは。説那です。 タイトルにある新しいジャンルの名前は、『特殊設定恋愛小説』です。全ては、私とやり取りしてくださっているフォロワー様からの指摘から始まりました。そもそも、『特殊設定』とは何だ?という話からしなくてはなりません。 本を読むことが好きな方々であれば、『特殊設定ミステリー』というジャンルがあることをご存知かもしれません。『特殊設定ミステリー』は、SFやファンタジー、ホラーなどの設定を用い

【短編】衣替え

短い梅雨が明けて、蒸し暑い日が続くようになった。 今日は朝からいい天気だったので、たくさん洗濯をして、ベランダに干した。夕方からまた天気が崩れる恐れがあるので、それまでには取り込まないとならないが、多分乾くだろう。 洗濯物を干している最中に、アパートの隣の住人もベランダに出て、洗濯物を干している。私の方が先に干し終わったので、外の景色を眺めているふりをしつつ、隣人の方を伺う。 あれ?髪、急に伸びてるな。 サラサラのストレートの黒髪が、背中で揺れているのが見えた。 隣人の

【中編】片側だけで感じる彼・彼女 No.1/11

「只今帰りましたぁ。」 誰もいない部屋の明かりをつけ、俺は答える人がいないのが分かっているのに、声を発した。 1LDKの単身用マンションはひっそりとしていて、冷蔵庫だけ鈍い駆動音を鳴らしていた。 仕事が終わり、ここに帰ってきて、いつもはシャワーを浴びて寝るだけだ。 そして、数時間寝たら、また会社に向かう。 毎日特に変わらない日常。 休みの日も、昼近くまで寝て、後は家でだらだらと過ごしていることが多い。でも、皆そんなものだろうと思う。 それにしても視界がボヤっとする。目の使い