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いつまでその価格で消耗してますか?〜第2回農業経営者向けセミナーより⑤〜

みなさん、こんにちは。
アグリビジネスパートナーの高津佐和宏(こうつさかずひろ)です。

第2回農業経営者向けセミナーの内容を抜粋してお届けしていますが、日が経つにつれ、閲覧数が伸びています。多くの方に需要があることが証明され、嬉しい限りです。では、今回も始まります。

過去の記事はこの記事の最後にリンクを貼っておきますので、そちらからご覧ください。

粗利は経営のガソリン

次に売上作りをお話しします。売上作りの事例は一般企業が中心ですが、農産物の加工販売など6次産業化を目指す農業経営者や近年直売をされている方も増えていますので、参考になると思います。
農業にそのまま当てはまらない部分もあるかと思いますが、一般企業の考え方とか、農産物加工して売る企業の考え方として捉えていただければと思います。

まず、これが1番重要なことなんですけど、経営というのは粗利が全てなんですよ。

粗利。100円から原価30円を引いた70円。この粗利がどれだけあるかというのが全ての経営の根幹なんですね。粗利っていうのは、経営のガソリンなんですよ。

売上ではないです。粗利が全てなんです。どれだけ粗利があるかで考えないといけないんです。

粗利を下げるのが値下げ。値引販売はするなってことです。逆に値上げ販売しろ!!

値上販売が企業の努力なんですよ。

コストカットとか、経費削減とかはどうでもいいことであって、値上販売できるということが企業努力なんです。
コストカットよりも、100倍、値上げ販売が重要な時代になってる。これ義務と言ってもいいです。

そして、日本の庶民感覚って安すぎます。みなさんが、必死に試行錯誤して商品作ってきた。これがね、安すぎるんです。

仕事でハワイに行ったことがあるんですけど、ハワイのコンビニでコーラと2,3枚のクッキーを買ったら、800円するんです。7ドルです。それが普通なんですよね。
日本でコーラと小さいクッキーを買ったら200円くらいですよ。
それがおかしいって話なんです。日本は商品単価が安すぎるんです。
だから、商品単価を上げる努力しないと粗利が取れないんです。

そして、商品価格の決め方がおかしい。

原価から商品単価を決めているからダメなんです。
商品の価格というのは、原価+人件費、採用費用、社員教育費、家賃、水道光熱費、広告費、機械の修繕代、消耗品費、ユニフォーム代、福利厚生費など。
これくらい要素が足し算していって出てくるのが価格なんです。
決して、原価30円だから100円ですって、そういう話ではないです。

ここで言いたいことは、値決めが経営で、値決めをするためにはこれだけの要素があるってことなんですね。
だから、安売りするなってこと。
将来に向けての費用とか、研究開発費とか、機械類を購入するために貯めるお金とか、そういう費用も盛り込んで商品の価格を決めなければいけんないんです。

だから値上げしないといけない。値上げっていうのは、無茶な金額を言っているわけじゃないです。価値に見合った金額で売るってことが言いたいんです。
安売りっていうのは、品質やサービスが悪いっていうことの裏返しなんですね。
高値販売っていうのは、品質やサービスが高いことの裏返しなんです。

今、世の中で1番クレームが多い産業って100円ショップなんです。100円ショップってものすごくクレーム・返品が多いです。それは、品質やサービスが悪いことの裏返しなんです。

逆に、ベンツとか、凄く高い戸建とかはクレームはそんなにないです。それは、品質やサービスの良さの保証なんです。

高値販売をすると、どんないい循環が生まれるかというお話をさせていただきます。

まず、商品やサービスの値段を上げると高受益対策となって適正な利益が得られます。

そうすると、資金繰りの悩みから解放されて、仕事の絶対量が減ります。薄利多売をしなくて良くなります。
そうすると社内に余裕が生まれて、高い商品を売ることで、社員が自社製品に誇りをもって働きがいを感じることが出来る。
いい循環ばっかりなんですよ。

この逆が値下げ販売です。どんどん会社がやばくなる。薄利多売になるので、仕事をいっぱいやらなきゃいけない。社内が忙しくなる。安い商品作って、社員が誇りを持てる訳なんてないですよ。

逆の循環でいかなくちゃいけないんです。
そして、値上げっていうのは、ある時点から客層が変わります。
そうすると、値段や安心や信頼で物を買いたいお客さんが多くなる。特に富裕層が。
さらに、カジュアルな情報で希少さや有利さをアピールして、値上げが可能っていう循環になります。値上げっていい循環を生んでいくんですよ。
だから、どんどん資金繰りが良くなって、余裕が出来てきて、薄利多売なんでしなくていいから、少ない数を売って儲かる。
そうすると社員に余裕が出来てきて、社員が商品に誇りを持てるようになります。

値上げの方法は?

値上げって2段階あるんですよ。1段階目はいきなり値上げ。本来の価値に見合った値段に戻すと、企業から消費者に販売する場合はいきなり値上げして、企業から企業に販売する場合は、年数回で値上げをするということになります。

ちょっと例を上げると、私が指導したエアコン修理屋さんがあるんです。エアコンの掃除だいが6,000円だったんですよ。6,000円の理由なんですかって聞いたら、ないって言うんですよ。
8,000円じゃダメなのかって話。8,000円に値上げしてやったら全然大丈夫。6,000円が8,000円になりました。値札変えてるだけなんで、利益がかなり上がりました。

商品の価格ってどう決まるのかっていうと、需要と供給のバランスで決まると習ったと思うんですが、これは間違い。
これは、おにぎりやお弁当や鉛筆とか消耗品の話なんです。

そうじゃない商品に関しては、社長の決断で値段が決まってます
社長の決断っていうのは、今までのデフレ経営からきているのもが多くて、これくらいじゃないと売れないだろうって思ってるんですよ。
実はそうではなくて、値段を上げても売れることが多い。

社長の決断で値段が決まる

エアコンの掃除代を6,000円から8,000円に変えました。
後は、車検の手数料ね、これ1万円だったんです。1万円の理由はなんだって聞いたら、ないって言うんですよ。1万5,000円にしてみてって言ったら、結果大丈夫だった。もの凄く利益出ました。
写真屋さんがお客さんでいるんですけど、写真って基本価格5,000円なんです。1個あたり1,000円ね。5,000円の理由を聞いたら、やっぱりないって言うんです。何年前から5,000円かって聞いたら20年前からって言うんですよ。20年前の時給いくらだって言ったら、500円って言うんですよね。今が750円。おかしいじゃなかって話です。
5,000円を6,000円にしてもらいました。大丈夫でした。じゃあ、20年前から6,000円で売ってたらどれだけ利益出てたんだってことなんです。

全て、社長の決断次第なんです。まずは値上げを考えなくてはいけないということ。
売上競争してるんじゃないんですよ。利益競争をしているんです。
利益競争をするには粗利が必要なんです。粗利を出すためには、値上げが必要なんです。
経営者は値上げを意識しないといけない。
現在の商品設計っていうのは、本来の価値がお客さんに伝わっていないので、値下げしないと買ってもらえない状況です。
説明の方法を変えて、自社の主張を遠慮しないで、その説明の中に加えることが必要ということになります。

社長は常に値上げを考える

・・・次回に続く 次回は売上を上げる2段階目の内容です。

前回までの内容は記事の下記にあります。

                  アグリビジネスパートナー 高津佐和宏

第3回農業経営者向けセミナーは2019年11月19日(火)に宮崎市内で開催です。
テーマは「儲かる農業法人経営の実践!! 規模拡大と従業員教育と仕組み化のコツ」
神奈川県から(株)井出トマト農園 代表取締役 井出寿利氏を招いてお話いただきます。
詳細とお申し込みは下記をクリックしてください!

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