新規就農者が農業を諦める唯一の理由〜農業をずっと続けていくために〜

アグリビジネスパートナーの高津佐(こうつさ)です。
今回は、『新規就農者がなぜ続かないのか』というテーマで、農業を志している新規就農者の方に向けて記事になります。
また、農業を始めたばかりの人や農業が上手くいっていないと感じている人にもためになる内容でもあります。

新規就農者が続かない理由

では、早速本題に入っていきたいと思います。
新規就農者の人は、なぜ続かないで辞めてしまうのでしょうか。
続かない理由は、たった一つで
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 『続けるためのお金が無くなってしまうから』
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お金がなくなって生活ができなければ、農業を続けることができなくなり辞めたくなくても辞めるしかなくなります。

続けたいのに農業を辞める、農業を諦める理由はこの1つだけです。

ですから、新規就農者は、お金を回して生活を成り立たせることを一番に考えていきましょう。
生活に必要なお金がなくならない限りは、農業を続けられることができます。

農業を続けるために大切なこと

まず皆さんに農業は、製造業である事実をお伝えしたいと思います。

農業は、生産をしてその生産したものを販売して売り上げになります。
自分が生産したもの以外は基本的に売り上げにはなりません。
農業を始める時に『どこに売ろうかな?どういう販売方法しようかな?何を作ろうかな?』と販売のことも考えますが、それでも「生産」が一番大切なのでいかにして良いものをたくさん作っていけるかが重要です。
イメージを膨らませて、夢とか希望を持って農業を始めることは良いことですが、お金がなくなってしまったらその夢とか希望とかを叶えることができなくなるので、まずはお金を回すことが大切です。

お金を回すために生産したものどこに売れば良いのか?

生産したものをどこに売れば良いのでしょうか。
 農業には、卸売市場やJAなどがあり、作ったら買い取ってくれる、他の業態にはない夢のような仕組みがあります 。
居酒屋さんや飲食店などは、お店をオープンしたかといってお客さんが来てくれる保証はどこにもありません。お弁当屋さんだって作ればお弁当が100%売れる訳でもありません。
しかし、農業は卸売市場やJAに持っていけば最低限買い取ってくれる仕組みがあります。この仕組みを批判する人もいますけれども、今から農業する人は、ぜひこの仕組みをしっかりと活用してもらいたいと思います。
農業の流通の大部分は、卸売市場やJAが担っています。
他にもっと良い仕組みがあれば、その仕組みにシフトが起きてると思うので、未だに販売の中心が卸売市場やJAだどいう事は、それだけ優秀な仕組みだと言えます。

生産するものを決める

次に何を生産していけばいいのでしょうか。
卸売市場やJAは、特別なものは流通に乗りづらいのでその地域に合ったものや、それなりにその地域で生産されているものを生産して卸売市場やJAに出荷することをお勧めします。
特別なものを作りたいとか新しいことにチャレンジしてみたいとかは、お金が回らなければ農業を続けることができなくなるので、ある程度お金や自分の経営が回る状態になってから、新しいことにチャレンジしていけば良いと思います。

生産をするために大切なこと

では、どのようにして農作物の栽培や家畜の飼育をしていけば上手くいくのか?
私なりの見解を3つ紹介したいと思います。

①コスト削減はしない 
経営は、売り上げを上げるかコストを下げるかによって利益を出していきます。
しかし、農業の場合は最初にコスト削減から入ってしまうと結果的に良くない方向に向かってしまう可能性があります。なぜかというと、コスト削減することによって収穫量や品質を下げてしまう可能性が大いにあるからです。
ちょっと高くてもより良い資材を使うことにより、収穫量や品質が上がり利益が多く残る可能性があります。
コスト削減に時間を使うよりも少しでも良い資材を使って、収穫量や品質を上げていくことに時間を使っていくことが重要になっていきます。

②時間のほぼ100%生産に使う
自分が農業の生産が未熟なのであれば、生産の力を上げていくことに時間を使えば利益を上げることができます。
生産が未熟なのに販売面に時間を使ってしまうと、生産に充てる時間が少なくなり栽培技術の習得が遅くなったり、栽培面積や飼育の頭数が最大化できなくなります。
売り上げを上げるためにも時間のほぼ100%を生産に使って生産技術を高めることが大切です。
自分で販売をしたとしても、元々の生産が少なければ売り上げはあまり上がりません。それよりも、卸売市場やJAに出荷をして空いた時間で生産をして生産の力を上げていくことに時間を使っていきましょう。

③生産で地域のTOP10に入ろう
新規就農者の方には、地域で上位10%に入ろうというつもりで農業を頑張ってもらいたいと思います。まだまだ生産が上手な人がいるという事は、自分にとってまだ伸びしろがあるという事になります。
伸びしろがあるうちは上位を目指していただきたいです。
そして、生産で地域のTOP10に入る力がついてくれば他の品目を作ってもうまくいくので、次の段階で新しい農業ややりたい農業にチャレンジするという次のステージに進めます。

生産が上手になる方法

それでは、生産を上手くなるにはどうしたらよいのでしょうか。
まずは、基本的な部分を学んでいって欲しいと思います。
例えば、座学や栽培の本などから知識を学んでいくことができます。
基本を学んだ上で、先輩方やJAの指導員の方などいろんな人に話を聞いて栽培技術を上げていきましょう。

農業技術の情報は、土壌条件や気候条件、品種特性などさまざまな要因がある中で、その農家さん独自の情報だったり、地域独自のやり方だったりというものがあります。
農家さん同士の情報交換は非常に有意義なものですが、基礎的な知識がない中でそれらの情報に接してしまうと、インターネット上のフェイクニュースに騙されてしまう感じで、自分にとっては役に立たない情報を信じてしますこともあります。

そのためにも「基礎知識」というのは大事なのです。

農業は、基本的には年に1回しか作付けができないので、チャレンジの回数を1作の間にどれくらいできるかが最終的な栽培技術の伸びに影響してきます。
基本をしっかり学んで人に聞きながらいろんなことにチャレンジをしていくことが重要です。
農業の基本は、土作りだと思うのでしっかりとした土づくりの基本を学んでいってもらいたいです。

最後に

新規就農者の方には、繰り返しますが、お金を回すことを一番に考えて欲しいと思います。
そのためにも生産が大切なので、生産技術を高めることに時間を使っていきましょう。最後まで読んで頂きありがとうございました。
新規就農者の方に『続けられる農業』の参考になれたら幸いです。

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