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失敗しない農業の始め方〜販売編〜

アグリビジネスパートナーの高津佐(こうつさ)です。
今回のテーマは『失敗しない農業の始め方〜販売編〜』
これから農業を始めたい方向けに、失敗しない農業のために、農家の販売方法について解説します。
既に農業を始めている方にとってもためになる内容になっていますので、復習や確認のために参考にして下さい。

逆算思考で考える

早速、本題に入っていきます。
まず最初に考えてもらいたいことは、『逆算思考で考えること』です。
逆算思考で考えるということは、最終的に辿り着きたいゴールから考えて行動すること。
農業経営が続かなくなる理由は、お金がなくなり生活ができなくなるからです。
生活のためには、「お金」が必要です。
農業を新規で始める方は優しい人が多く、「お金」に関心がない人もいるかもしれませんが、自分や家族が生活していくための最低限の「お金」は必要ですよね。
だから、「生活をするために所得がいくら必要になるのか?把握して所得目標を立てること」が重要です。

所得目標を決めることでどんな農業をして、どこに販売した方が良いのかイメージが湧きやすいです。
農業を始める方は、自分が「いくら稼ぎたいのか?」目標を持って将来をイメージをすることが大切になります。
将来のイメージが強い人ほど、成功する確率が高くなります。
将来の辿り着きたいゴールを想像して、逆算思考で自分の農業経営を考えていきましょう。

農業経営で抑えておきたいこと

農業経営が上手くいくために、抑えておきたい3つのポイントを説明したいと思います。

①嗜好品と消費財
②時間の使い方
③従業員と自分を含めた所得をいくらにして売り上げをいくらにするか?

①嗜好品と消費財

農畜産物には、大きく分けて嗜好品と消費財があります。

嗜好品は、高級な農畜産物で生活必需品ではないので、主に贈答品や贅沢品として購入するものになります。
JAや卸売市場に持っていくとあまり差別化ができないので、自分が想い描いた値段で販売することができません。
お客様に直接、自分が作ったものを届けたい方は嗜好品を生産することをお勧めします。

消費財は、必需品的なもので普段の生活によく出てくる農畜産物になります。
コモディティ化された農畜産物ですね。
差別化がしにくいので大量生産をして反収と品質をあげて、JAや卸売市場に持っていって販売することが一番儲かる方法になります。
どちらかというと営業とかは苦手で、農業生産をやりたい方は、消費財を生産してJAや卸売市場に出荷することをお勧めします。この方法でも十分に儲かる農業は可能です。

これまでの農家さんや新規就農者が不幸だったのは、嗜好品なのに消費財の方法で販売したり、また消費財なのに嗜好品の方法で販売してしまっている方が多くいることです。
嗜好品や消費財には、それぞれにあった販売方法があります。
嗜好品と消費財のどちらを自分が作って、販売するのか明確に決めましょう。

②時間の使い方

農家さんは、農業生産と農業経営の2つの時間があります。
農業生産とは、畑や農場で栽培や飼育をする時間です。
それ以外の時間は、農業経営の時間です。
農業経営の例で言いますと、営業や出荷調整、パートさんの教育や採用、経理の時間などがあります。
これは、私独自の分類になります。

時間は、24時間しかありません。
時間の使い方を間違えると、農業経営は失敗します。
JAや卸売市場に出荷する場合は、営業に掛かる時間がほぼ0なので農業生産にあてられる時間がかなり増えます。
そのことによって、栽培技術が身につくのが早くなり反収や品質が上がります。
自分で販売をしたい方は、お客様の対応もしないといけないので農業経営の時間が増えることも考えましょう。
農業を始める前に、どれくらいの時間を農業生産と農業経営の時間にするのかバランスを考えることが大切です。

③従業員と自分を含めた所得をいくらにして売り上げをいくらにするか?

家族の給料や従業員の給料は、いくらにしますか?
自分が欲しい所得も含めた人件費を、全体の何%にするのか決めましょう。
決まったら、その人件費を払うために売り上げがいくら必要になるかが決まります。
売り上げ目標が決まれば、どんな品目を作って収穫量がどのくらい必要なのかが分かると思います。
最初の農業の設計が間違っていれば、いくら頑張っていても自分が理想とするところに辿り着くことができません。
農業の設計をある程度のレベルでしっかりと作ることが大切になります。
農業を始めてる方で、思ったように上手くいってない方は、そもそもの設計が間違っている可能性もあります。
心あたりがある方は、農業の設計を見直すことをお勧めします。

就農までにできること

就農までに一体何をすればいいのか?
就農したい方は、いろいろと不安があると思うので、就農後にやってて良かったと思う3つのことを紹介します。それは次の3つです。

①消費者になる
②ファンを作る
③栽培技術を学ぶ


①消費者になる

特に直接販売をしたい方は、自分がやりたい農業をしている農家さんの商品を買ってみましょう。
ビジネスセンスを磨く一番の方法は、お客様目線で商品を購入して分析することができるか。
自分が「なぜこの生産者の商品を買ったのか」を考えることで、自分のビジネスの力が身に付きます。
そして、その経験が自分が農業を始めた時に役に立ちます。

②ファンを作る

SNSなどで情報発信して農業をやることを応援してくれるファンの方を増やすこと。
ファンとは、「あなたのやっていることを支えてくれる人のこと」です。
将来的に自分で販売したい方には、とても有益になるはずです。
ファンを作るコツは、SNSで情報を発信することです。
私的には、Facebookなどがお勧めです。
Facebookは、実名でやるので信用も貯まりやすいです。
ファンを多く作ることによって、自分で販売したい時により商品が販売がしやすくなります。

③栽培を学ぶ

販売を学ぶことも大切ですが、栽培技術もしっかりと学んで欲しいと思います。
農業は、製造業なので自分で生産したものしか販売することしかできません。
生産量を上げるためには、栽培技術が大切になってきます。
栽培技術を磨くことで、反収や品質をを上げることができます。
最初に栽培技術に時間をかけて、それから自分で販売することに挑戦した方が成功しやすいです。

販売先別の攻略ポイント

新規就農者の方は、どこに販売したら良いのか分からないことも多いので、3つの販売先別の攻略ポイントを簡単に説明します。

①JAや卸売市場
②スーパーや直売所で販売する場合
③産直のEC サイトやインターネットで販売する場合


①JAや卸売市場

新規就農者は、とても取り組みやすい販売方法です。
同じ品質であれば、ベテランの農家さんと同じ値段で販売することができます。
他にも営業の時間があまり必要ないので、生産に専念でき栽培技術が身に付きます。
その地域の上位の品目であれば、販売力もあって栽培技術なども教えてもらいやすいのでさらに成功しやすいです。
しかし、特別なものを販売したい方には、あまりお勧めができません。みんなと同じものは生産したくない方は、JAや卸売市場での販売はやめておきましょう。

②スーパーや直売所で販売する場合

新規就農者が取引するには、最初のうちは信用がないので難しいかもしれません。
ある程度栽培がスタートしてから、営業して実際の商品を見てもらって交渉する必要があります。
スーパーや直売所で販売する場合は、作ったものを全て販売してくれるとは限りません。
JAや卸売市場と付き合いながらスーパーや直売所で販売する方法が良いのですが、状況によってはJAや卸売市場と競合することになるので、その地域のバランスを見ることは必要です。
また、他の農家さんがライバルになります。そのことは認識してスタートしましょう。

③産直のEC サイトやインターネットで販売する場合

自分で販売したい方に、多い販売方法です。
成功するためには、興味を持ってくれるファンを増やすことが大切です。
ファンを増やすてめには、SNSなどで情報を発信して信頼を貯めましょう。
信頼を貯めることによって、商品を購入してくれるファンが増えます。
ファンが多いほど、商品を購入してもらえるので成功しやすくなります。

最後に

販売方法には、それぞれ特徴があるのでしっかりと理解をしましょう。
最初から自分で販売するのも良いですが、栽培技術を身につけるのに時間がかかります。
最初は、JAや卸売市場などに出荷してから、少しずつ自分で販売する方法に挑戦していく方法がベストです。
将来の辿り着きたいゴールを想像して、逆算思考で考えて農業経営を成功させましょう。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
新規就農者や農業経営の販売方法の参考になったら幸いです。

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