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物語と王道について

別の意味でSNS疲れを起こしかけている今日このごろです。そういうときは文字を書いたり何かを創造したりという吐き出す作業をするのがよいようです個人的にですが。

結構昔に自劇団で浦島太郎をモチーフに作品を書いたことがあります。どうして浦島太郎だったのかはもう忘れてしまいましたし、その当時のメモが残っているわけでもないので何ともいえませんが。

簡単に説明すると竜宮にやってきた太郎青年とそこに住む乙姫とその仲間たち。太郎は乙姫を愛していたが、乙姫には実は別の、しかも太郎より前に竜宮にやってきて地上に帰らないという選択をした庭師がおり、彼のことを愛していた、とは口にはしませんがそういう感情を抱いていたという三角関係の物語にしました。

恋愛物語の中の三角関係、まさに王道です。反発しあっている二人が本当は好きあっていることは太郎にもわかって、、、見ていてある意味寂しい気持ちになります。

さて、話は王道というやつです。

王道ってありきたりとか先が読めるよねとか言われてしまうのですが、私はそう思ったことがありません。王道って何十年何百年と残る物語の強さがあります。ジャンルとされるアクション、コメディ、悲劇、恋愛、パニック、サスペンスと多々ありますが、今新しく描かれるものって大体過去にある物語だと思うわけです。小説がこの世に何冊あるかご存じですか? 私も知りませんが人間が一生をかけて全てを読み切るだけの数以上はあります。国を超えて数えたらもう膨大ですよ。

恋愛物語の王道に話を移しましょう。

男女が出会い、反発して、感情が生まれたり気づいたりして、結びついて、トラブルが起きて、危機的状況を乗り越えていく。最後はビター? ハッピー?

という一連の流れがあります。構成の話や具体的に何が起きてとかはいったん置いておきますね。

この流れにのっていくと大体が同じような作品になりそうですよね。でもキャラクターや時代や背景、文化、などはその時時で変わっていくし、物語はそういうものを反映しているんです。

もしここに女子高生の恋物語があったとします。その子が生きているのはこのコロナ禍の時代で例えば今まさに自粛やら緊急事態宣言やらが出ているような時期だったりしたら。10年前、いや、去年の今頃の女子高生を主人公にした物語でもいいです。比較して、同じような物語になるでしょうか?私はならないと思っています。

私は奇をてらうような作品は書いていないつもりで、どんな物語を書いたとしてもきっと誰かが昔書いた、あるいは今書かれている作品だろうと思いながらも、じゃあオリジナル性ってどうやって出すのとかを一文字一文字考えつつキーを叩いています。

9月に舞台公演を控えているもののこれは不倫だったり、妬みだったりをテーマに書いていますが、あくまで書いている本人は純愛だと思っています。複数生まれた愛情に対してどう人は向き合うのか、もう愛してくれない夫を自分は愛し続けないといけないのかと悩む妻、妻がいることを知りながらも愛情が生まれてしまった女性たちのお話。恋愛物語の王道とも言える話です。初演は16年に書いて、公演は17年の1月だったと思います。再演ですが、この時代の夫婦関係であったりを改めて考えた時、初演とは異なる画が生まれるのではと考えている今日このごろです。

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