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初演のリブートに伴うあれやこれや

基本的にはタイトル先行、作品があと、という順番で作業を行う。完成したあとに改めてタイトルを見直せるかと言うと、大体既に情報解禁になっているので手直しすることは出来ない。直すとしたら台本の方だ。

今回は2016年の夏頃、色々な仕事が同時期にかぶさって精神的にしんどい中での執筆し、2017年1月に大塚の萬劇場で初演、「春。いつかの雨の匂い」「夏。つかの間の虹」を上演した作品のリブートである。

初演のリブートにあたって、残すキャラクターと削るキャラクター、増やすキャラクターという作業が発生する。そして今回はコロナ禍の中での公演であり、そういう点でも前回はあるシーンでも今回は見送ろうと思うシーンが数々ある。

例えば食器などを使ったり、食べたり飲んだり、そういうシーンは全て削ること。また舞台上に出ている人が密集しないこと。数や距離、そういうものに気を配った脚本にしなくてはいけないこと。前回は萬劇場だったが今回はシアターKASSAIと場所が変わるので、出来ないことも増える。そういうことも考えながら作り直すのは一つの醍醐味でもある。

「春に思い出す、夏の君はもう遠く」とタイトルが変わりましたねと言われるが、まあ、言われると言っても数名である。初演をまず観ているよという人が少なかろう。それはそれで悲しい。いやいや、ここからここからである。初演は初演、観ていなくても大丈夫。ほとんど同じシーンはないから。と言ってしまうともはや再演という枠を飛び越えてしまうのではなかろうか。もう再演ですとは言えないのではないだろうか。大丈夫です。ひとまず登場人物の名前と関係性はそれなりに維持する予定です。

タイトルについてですが、ハルナツという短縮して呼ばれる初演をリブートする、これが企画当初にあったので、短縮した言葉がハルナツになるようにすることが大前提。

そこからは色々と言葉をつけたり配置を変えたりして、落ち着いたのが今のタイトルに近しいもの。雨や虹は入れたかったけれど、優先されたのは春夏でした。

春、夏

春に思う、想う、思い出す、想い出す

夏、夏の君は、君は遠く、遠くて、君はもう、君はもう遠く

こうやってタイトルは音の響きや流れ、運び、そういうものを手探り組み合わせ、壊し、戻し、よいしょっとやりながら作っているわけです。まあ、他の人も同じようにやっているかはわかりません。話したこともないので。

果たしてリブートされた本作はどういう物語になっていくのか、今はただタイトルってこうして出来たんですよとしか言えないフェーズ。もう少し作品ができあがったらまた何か書きますので。

あ、チケット発売は明日の12時からです!!!

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