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誰かを救うことで自分を救おうとしている #あな空

初日の緊張感は何度経験しても慣れないわけですが。出演者はもっと緊張するものなのかもしれませんが。

本日ご紹介するのは、初めて当劇団にご出演頂く江藤彩也香さん演じる齋藤 茜について。観劇を迷っている方の参考にでもなればと思っております。
※江藤さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んで下さいませ。

初演では出て来ない役の1人である怪奇ライターの齋藤さん。初演においてはあくまで真司のところに天使がやってきて連れて行くとかの話をしていて、その一方では黒電話を預けられた栞里が黒電話を真司に気づかれないようにしつつ、姉や後輩を巻き込んでわちゃわちゃするという短編になっていました。

もちろん、その会話劇でも個人的には120分程度続けることはできるとは思いました。しかしリブート版なのだからと物語を強固にするために袋小路にいる真司に手を貸す存在、栞里の背中を押す存在が欲しいと思い、茜を作りました。正直神秘とか怪奇/怪異というのは好物で、小学校時代から雑誌のムーの読者であり、ノストラダムスの大予言とか読み耽った日々を送っている私としては茜を主軸とした物語もいつかは書きたいと思うぐらいには好きなキャラだったりします。

怪奇ライターとしての怪しさや取材で追い払われてもめげないメンタル超人でもある茜の性格って、本当ならもっと暗い感じになりそうな真司とか栞里のいる場を明るくしてくれるんですよね。自分たちが抱えている悩みと状況は決して笑えないような切羽詰まったもののはずなのに、彼女と話している瞬間だけ、一瞬はいらっとするかもしれないけれど、話している間はその闇、不幸、受け容れられない、受け止められない現実を忘れていられる、そんな存在。そこにきての江藤さんの役作り。

書いている側としてはどういう表情でどういう声色で真司や茜と接するのかは見えていなかったのですが、江藤さんの喋り方やテンションを稽古で観続けていると、これが茜の明るさで、この土足で人の懐の踏み込んでも怒られない、いや怒られるんですけど、なんとなくいつの間にか許せてしまうキャラクターなんだなと、はっとさせられる瞬間がありました。

茜のキャラというのはそういうコメディ要素を搭載しただけではなく、実はその仕事をするようになったのには過去の経験が結構意味を持っていたりして、キャラに似合わず真面目で、繊細なのかもしれないなと思ったりします。あるシーンで真司に質問を投げられる時にふわっと見せる笑顔は是非見逃さずにいてほしいところです。茜の素の部分、過去の背負い方が表現されています。

公演詳細

公演情報は劇団Twitterから


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