見出し画像

【#ハルナツ2】あったかもしれないシーンや設定(備忘録的な)

プロットという青写真を用意した上で、もう書き出してもいいという段階が訪れるまで書かない、というパターンもあるし、書いてみなければわからないといって書き出してしまうパターンもある。どっちが良いかといえば、正直なところ合う合わないで決めればよろしい。私はぼんやりと流れを見るために、同時にキャラクターがどういう存在でどういう役割を担っているのかを把握するために浮かんだセリフも青写真に書き込む(セリフを書かないという方もいらっしゃる)。

プロットではあったシーンもほとんどどこかに流れ、路傍の石よろしくのような存在とまでなり果てた事実もありつつ、今ふと備忘録のように思い出しながら書いてみる。もしかしたらプロットにあったかも知れないしなかったかもしれない、今適当に作ってしまったシーン、かもしれない。私はわたしの記憶に自信がない。

例えば、簑下探偵事務所というのが出てくるが、当初プロット段階ではカラオケ屋の一室、あるいはスタッフルームという設定をつけていたが、今はボードゲームカフェの一角を間借りして営業していることになった。

例えば津島真綾という役がいるが当初は簑下や高山光晴が寄るビデオ屋のアルバイトであり、光晴とは不倫をしていないし、美佳子の妹でもなかった。光晴と顔見知りであり、同時に美佳子、そして由香里とも知り合いという設定を入れ込もうとしていた記憶がある。

例えば高山光晴を初演よりももっとゲスな人間に仕立てようとしたものの、妻がいながらその妹と不倫している段階である程度ゲスというか、人間の弱さを持った存在に出来たため、初演のように由香里とも関係を、、、のようなことは完全にやめた。

例えば由香里の中に光晴への想いがあるのかないのか、ここは難しいところだったが、初演とは異なる答えを導き出したが今はそれはそれで良かったと思っている。ネタバレなんて特に気にするような私ではないですが、ちょっとここは伏せておきます。

例えば由香里と美佳子が大人になってから再会するというのがなくなったり。この二人の人生はもうあの日に違えたことで相まみえることはもうない、その方がよいと判断。なんか良さげなシーンになりそうな、そういう気配を感じたものの、なんか良さげほど危ないものはない。カットだカット。

例えば美佳子の設定が派遣社員から正社員に変更された。私自身数年前までこの逆で正社員から派遣社員という働き方に変えて舞台に携わってきた。やはりと言うか、任される仕事の内容はくっきりと線引されている社会だと思う。紫苑と優作という二人の社員の良き先輩というポジションを仕込むための設定変更。

例えばある女性が死ぬことになっていたが、それを変更している。余程誰が死ぬんですか、誰を殺す予定だったんですかと出演者からつっつかれれば答えるがこれはいまのところ黙ることとする。

ここに書かれている内容は初演を観た方がいたとしてももう3年も前の話なので、、、

よってご観劇後、改めてこのノートに記載されている内容を読まれて、ああ、こう変わるのか、そうなのか、と思ってもらえたらそれはそれで、と思うわけです。

来週の今頃は劇場にいる、そんな時期になりました。今回は通常よりも客席を減らさせて頂いたこともありますので、是非DVDでのご観劇も増えたらいいなと思っております。そうしたらもう小躍りします心の中で。

私自身、演劇のDVDはしばしば購入します。劇場であればこの時、カメラが向いていないところで何をやっているのか、ふと視線をずらせば見えた、それがDVDでは出来ません。VRとかなら行けるんでしょうか。そういう未来がもう到来しているのでしょうか。VR酔いとかないんでしょうか。

肉眼だからこそ、同じ空間だからこそ味わえたものがDVDから味わえるのかと言い始めたらもう悶々としますが、それでもその人達が動き、話し、躍動し、感情のままに生きているのは感じられます。あとは映画と違って劇場内は飲食禁止のところがほとんどですので、家だとポップコーン片手に心地の良いソファにお尻を沈めて楽しめるのも自宅ならではじゃないでしょうか。

新しい観劇スタイルがどこまで普及するのかはわかりませんが、着実に私達は新しい時代とともにあるようで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?