見出し画像

涙は弱いから流すんじゃない #あな空

本日ゲネ及び初日を迎えました。泣いても笑っても初日の幕がもう上がります。

本日ご紹介するのは、初めて当劇団にご出演頂く山崎真実さん演じる藤島陽について。観劇を迷っている方の参考にでもなればと思っております。
※山崎さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んでいただき、備考欄に山崎さんのお名前を必ずご記入下さいませ。

初演は短編だったこともあり登場人物をかなり少ない天使と夫婦、後輩と栞里の姉(リブートでは妹に変更)による構成でした。今回リブートするにあたっては栞里は妻として残される人間となりますが、じゃあ血の繋がった家族はどう真司のことを思うのだろうか、見送るのだろうか、受け容れるのだろうかと考えた時に、もう一人の残される家族として真司の実姉であり栞里の義姉となる陽というキャラを追加することになりました。結果、よかったと考えております。

陽という人物は歯に衣着せぬ物言いをするタイプで、他の人の後ろに一歩下がって物事を見ていて、まとめたりするちょっとだけみんなよりお姉さんで頼られたり、いじられたり、呆れられたりする人です。大人なのにと言われてしまうが挫けたりしない人。弟のことを可愛がってはいるけれど、子供の頃から振り回してきたんだろうなということは想像に難くないところ。その振り回し役が栞里になった時、若干の寂しさを彼女は感じたのかもしれない。しかし見ている限りでは真司を振り回す側の人間が代わったではなく、増えたように思います。真司抜きで二人で食事したり買い物したり映画でも見たり、旅行だってするような良好な関係性を築けている。

ただ、彼女は振り回したり、大人の女性であるだけではなく、思わぬところで涙もろいところもあって、若干その時の彼女は子供のように泣いて、年下の妹たちから慰められるような瞬間も。今どきの言葉かはわかりませんが、これがギャップ萌えというやつかと稽古時に密かに唸っておりました。

さて、今回ご出演がはじめての山崎さん。私は以前新国立劇場で上演されていた海街diaryのお芝居を観て、オファーを考えるようになり、それからの今ということに願いって叶うものなんだなぁとぼんやり考えたりもしました。

読み合わせの時の初対面の印象ですが、皆は〇〇と口にしているのですが、本人からなんでよと言われる出演者たちを少しだけ遠くから見ているんですが今はとっても仲良く、場を作ってくれています。ちなみに私は一度たりとて怖いと思ったことはありません(伏せ字の意味)。

稽古場では早い時間帯にやってきて準備をしている姿を見かけ、演出に見せる前にちょっとシーン当たっておこうかと同じ場面に出る出演者に声かけてくれたり、うまくいかない所があれば色々と考えたり提案したりと他の出演者とも意思疎通してくれていて、皆のお姉さんをやってくれていたりします。ありがとうございます。

舞台って1人で作るものじゃないし、その場にでている人がたくさんいれば最早それはチームプレーが必要な競技だと思います。誰かがこのテンションで来ればこう返すとか、セリフや気持ちのバトンをしっかり次へと受け渡すそんな競技なんじゃないかと。そういう意味ではしっかりと支柱を担ってくれていて、この座組にいていただいたことに感謝しかないのです。

皆からは●●とか言われてるんですよ、違いますよねと言われて、確かに山崎さんは天然(伏せ字の、以下略)ではない。ちょっとだけ抜けているところがチャーミングな人。だからこそみんな言っちゃうんだろうなと。天然ですよねって本人前に言える関係が築けているのは良好な証拠、だと思っています思いたい。でも見ている限りでは関係良好な空気を作ってくれているから、それもまた芝居に反映される瞬間があるんじゃないかと。

陽と千尋は栞里と真司が結婚したことで家族になり家族付き合いが生まれて、その2人の家族の空気も観てもらいたいシーンの一つ。どちらかと言えばセリフのない部分での交流を観ていてください。見逃すこともありますので。

最後に、読み合わせから数日の稽古では結構大人の落ち着いた女性ぽさもありましたが、私がキャラ表に書いた情報として「涙もろい性格」という情報を頼りに陽らしい一面を作って稽古場に持ってきてくれたときは本当に嬉しかったんですよね。書いている時には想像していなかったものの、ああ、そうか、これで陽が完成したのかと。何気なく書き込んでおいてよかったなと思いつつ、その情報を使って芝居を作り上げることに脱帽でした。

涙には悔しい涙、悲しい涙、恐怖で溢れる涙と色々なシチュエーションで発露する感情かとは思いますが、それが笑いにつながる場合もあれば心をガシッと掴まれる瞬間もあって、そういう場面を器用に使い分けて、意味を持たせてくれている山崎さんを観にきていただきたいと願うわけです。

公演詳細

公演情報は劇団Twitterから

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?