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『対話型ファシリテーションの手ほどき』を読んで②
いつも,記事を読んでいただきありがとうございます。
私立高校で数学の教員をしている者です。現在,高校1年生の担任をもちつつ,反転授業,探究,業務改善,教員研修など,取り組みを行っています。教員になる前は,会社員として数年勤めていました。
昨日に引き続き,書籍
対話型ファシリテーションの手ほどき,中田豊一(2015),ムラのミライ
について,読んでみた感想を述べていきたいと思います。
改めて,メタファシリテーション(対話型ファシリテーション)の定義は以下の通りです。
ファシリテートする側が当事者に対して事実のみを質問していくことによって、当事者が思い込みに囚われることなく自分の状態を正確に捉え、そのことによって自分の経験知から課題の解決につながる示唆を主体的に得る過程を創り出す手法である。また、この手法はファシリテートする側が事実のみを訊くことによって自分が現在何を訊いているのか正確に認知すること、すなわちファシリテートする側のメタ認知(meta cognition)を促し、ファシリテーションの過程そのものの客観性とファシリテートする側と当事者とのコミュニケーションの効果を最大限に担保する。
https://muranomirai.org/meta-facilitation/
さて,なぜファシリ側が「事実質問」に徹するのかについて,この本ではこう書かれています。
そう,私たちは,「なぜ?」と聞かれるとつい言い訳をするようにできているのです
確かに,生徒指導とかしていると,生徒の「言い訳」ってたくさん出てきますよねw。だからこそ「なぜ(Why)」や「どのように(How)」と聞きたい所をぐっとこらえて「いつ(When)」「なに(What)」「誰(Who)」「どこで(Where)」を使った質問に置き換え「事実質問」に徹します。
さて,事実質問を繰り返すとどうなるか。
そうしているうちに,相手は,原因や動機,あるいは事態の捉え方についての自分の思い込みと現実の間のギャップに気付き,自らそれを語り始める,というのがこの対話術の基本中の基本です。
あまりイメージが沸かないかもしれませんね。ですが,この本では,具体的なエピソードやシチュエーションを通して見事に書かれています。ぜひ,手にとって自分で読んでみることをおすすめします。
昨日も書いたようにファシリテーションとは,相手の気付きを「促す」こと
にあります。だからこそ「事実質問」をすることで,ある意味現実を突きつけることになります。その結果,自ら語り始めるようになれば,自ずと次の行動に移っていくわけです。
最後に,この本の好きな一文を紹介して終わりにしようと思います。
変化は内側から起こる,外部者は信じて待つのみ
この本は,ファシリテーションに興味のある方には,ぜひ読んでみてほしい一冊です。私も同僚から進められ,一気に読み切ってしまいました。そんなに分厚くなく手軽に読めるのも,また良いポイントです。
それでは,また。
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