どうせやるなら楽しんで

組合のリーダーとなり、

土曜に出張に行かなければならない日が続いた

「なんで休みの日なのにこんなに行かなければならないのだろう?」

「もっと家でゆっくりしたいし、妻と出掛けたいのに」


そんな風に思っていた


特に毎週集まりに出席しなければならない月もあり

体や心が休まらず、憤りを覚えていた

しかし、あるとき、隣に座った人の言葉がその後の私の姿勢を変えてくれることになる

男は隣の地区の教員だった

どこにでもいるような普通の男

鞄のチャックが空いたままで
今にも、ものがこぼれ落ちてきそうだったのを覚えている

彼は私の隣に座るとおもむろに喋りだした

『休日出勤は困りますよね。』

となりの男の言葉に激しく同意し、うなずいていると、男は言葉を続けた

『ただ、どうせやらなきゃいけないんだったら楽しんだ方がいいですよね』

『今日は幸先生と隣になれましたし、幸先生と仲良くなることを目標に頑張ります』

驚きで、上手く返事ができなかったと思う

確かにどうせやらなきゃいけないんだったら楽しんだ方が得に決まってる

その時間を有意義にするかどうかは自分次第だ

こんなの時間の無駄だと考えていたが、時間を無駄にしていたのは自分だったかもしれない

私が抱えていた固定観念がぽろっとこぼれ落ちた瞬間だった

休日に出張があるという現状は、これから先変えていかなければならないことだと思う

ただ、それに嘆いて、無意味な時間を過ごしてしまってはもったいない

どうせ参加するんだったら彼のように毎回目標をもって楽しんでやろう


その日から私の挑戦がはじまった

「新しいつながりを3つ必ずつくる」
「知らない人10人に喋りかける」
「新しい指導の方法を3つ探す」

無意味にしていた時間が自分の力をあげる有意義な時間と変わっていく

自分の気持ち次第でどんなことも意味のある時間になっていく

やらなくていいことはやる必要はない
ただ、どうせやるなら楽しんでやる

隣にすわってくれた彼のように

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