見出し画像

暗闇の中で目を凝らす

なんだか昨日のエントリーは、我ながらネガティブな内容だったな。

ここのところ、ネガティブな空気が家族の中に流れている。
6月があまりに忙しすぎて、僕の中でパラダイムシフトが起きて、今、なんだか宙ぶらりんな感じ。

でも、多分、こういう時期が必要なのだ。
この時期を乗り越えてこそ、次の何かが見えてくる。
ただ、焦りは禁物だ。

心理学者の河合隼雄さんの文章が思い出される。
「こころの処方箋」という本の、「火を消す方がよく見えることがある」という章だ。
素晴らしい内容なので、全文紹介したいところだが、かいつまんでまとめさせてもらう。

子供の頃に読んだ本でこころの中に残り続けていたものがあるという。
漁船で釣りに出かけ、夢中になっているうちに周りが暗くなってしまい、方角がわからなくなって帰れなくなってしまった。灯を掲げて方向を知ろうとするが検討がつかない。誰かが「灯を消せ」と言うので消してみたところ、本当に真っ暗闇になってしまった。だが、目がだんだん慣れてくると、遠くの方の町の明りがぼーっと明るく見えてきて、それで無事に帰れたのだという。

そんなエピソードを紹介したあと、最後にこう締めくくっている

目先を照らす役にたっている灯−それは他人から与えられたものであることが多い−を、敢えて消してしまい、闇の中に目をこらして遠い目標を見出そうとする勇気は、誰にとっても、人生のどこかで必要なことと言っていいのではなかろうか。最近は場当たり的な灯を売る人が増えてきたので、ますます、自分の目に頼って闇の中にものを見る必要が高くなっていると思われる。

んー、身に沁みる。

今、僕は、まさにそんな時期に来ているように思う。
先月の僕の中で起きたパラダイムシフトは、目先を照らすのに役に立っていると思っていた灯が他人から与えられていたものだと、はっきり分かってしまったことだった。

暗闇の中で目を凝らす勇気が僕にあるだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?