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堕落する僕

twitterとか見てると、あれがいいだのこれがいいだの、正しさの押し付け合いが激しい。
広告なんか見ていても、どれだけその商品が素晴らしいのか、買うべきなのかを、なんとかかんとか伝えようとして、そのなみなみならぬ努力を感じてしまう。

だが、最近の僕は、もうそういうものがすごくうっとおしく感じる。

わかった、わかったよ。
もういいだろうよ。
何かを押し付けるのは。

ちょっと落ち着いて考えさせてくれよ。
僕には僕の考えがあるんだからさ。
ってな感じで、外部からの情報を拒絶したくなる感覚になっていた。

いろんなことに関心が持てなくなってきていて、ただなんとなく毎日がすぎていく。なんだか、最近の俺、堕落してんなぁと思い始めていた。

そんな中、ふと、タイムラインに流れて来た坂口安吾の「堕落論」の文字。

あれ、これって今の俺のことなのではと、ピンときた。
kindleで無料だったのですぐ購入した。
(まだ読んでない)

で、ネットでいろいろ調べてみたところ、NHKの「100分de名著」という番組で取り上げられたらしく、番組紹介のところに見事なまとめがあった。

安吾は、闇屋になった元特攻隊員や新しい恋人を得た寡婦などを例に挙げ、彼らが「堕落した」と映るのは、「硬直した道徳規範」を通してみるからであり、実際には、敗戦によっておしきせの道徳規範が崩壊した結果、人間性が解放され、人間が本来もっていた「地」が現れてきただけだ、と喝破します。むしろ、私たちをがんじがらめにしてきた古い価値観をはぎとるためには、一度、徹底して堕ちきることが必要だと説くのです。「堕落」こそが人間本来の在り方であり、人間がその本来の生命力のままに生きていくための原点であると訴える安吾。

つまり、お仕着せの価値観から逃れるために、一度とことん堕落して、本来の自分の生命力を蘇らせようということなのだろう。

まさに、今の僕がやっていることのように思えたのだった。
とことん堕落したら、どうなっちゃうんだろう。

(外に関心がないと言いながら、なんだかんだと、文章読んだり、書いたりしている僕です。。)

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