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読みたい本を迷わず買う人生


読みたい本を迷わず買える人生を送れ

子供の頃から、いつも父から言われていた言葉です。

これは実に多くのことを含んでいたと最近になって思います。

懐具合と相談しなくても読みたい本を買える資金
読む時間を確保できる
読むことに興味を失わない
読むことに負担を感じない視力や体力、集中力
本を読む楽しみを忘れない

記憶に残っている最初に父から手渡された本は
「宇宙大戦争」
女の子が読むような本ではなかったのですが
月に1冊ということで、読み終えると
続きを心待ちにしていました。

今から思えば、新しい本ではなかったので
知り合いか同僚からまとめていただいたものを
一冊ずつ与えてくれたのでしょう。

父には特に意図はなかったと思うのですが
私はすっかり本を読む喜びの沼にはまりました。

次に記憶に残っているのは
「不思議の国のアリス」を読んでチェスに興味を持ったとき。
古書店から子供でも読みやすそうなチェスの指南本を買ってきてくれました。

読書から派生する興味
(最近の流行りの言葉だとノイズ)を追う私に
目を細めて協力してくれました。

中学、高校になると、学校や地域の図書館で好きな本を借りることができるので
父から本を手渡されることは少なくなっていました。

それでも、クリスマスや誕生日には本をプレゼントしてくれました。
(なので私も子供達にそうするのですが、息子にはあまり歓迎されません)

父が亡くなって、本を選んでプレゼントしてくれる人が
自分の周りには居ない寂しさをぼんやりと感じていました。

1万円選書の存在を知り(倍率7倍以上と聞いていましたが)
何度も応募すればそのうち当たるだろう、と応募してみました。
幸運にも初めての応募で当選することができました。

岩田さんから選書のラインナップがFAXで届きました。
既読のものがあれば差し替えてくれるそうです。

1冊だけ既読のものがありましたが
好きな本でしたので、娘に贈ろうと思い
差し替えの申し入れはしませんでした。

他は、読んだことのない作家さんの本でした。

FAXの丁寧な文面を読みながら
ふと父からのメッセージのような錯覚を覚えました。

父がよく言っていたもう一つの言葉

親が居なくなったら、周囲の人が親代わり
大切にしなさい。

身近な知人だけではなく
この世にはさまざまな人と繋がり
心が満たされることも沢山ある、と
晴れた空に向かって父に報告しました。


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