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<読書記録>資格と実力は必ずしも一致しない

この春、二つの資格を返上しました。

(最後に後日談あり)

テキストを丸暗記して資格を取っても、それを仕事にする事は難しいと思っています。

そこから、疑問に思ったことを深めて知識を更新してブラッシュアップし、オリジナルにしていくのがプロフェッショナルだと思います。

ですので、私はたくさんの資格は持っていても全部をブラッシュアップする時間がないためこの春2つの資格を返上しました。

一つは、ライフオーガナイザー1級 
一応プロとして仕事ができる資格だそうですが、もともと友人に「あと一人いないと講座が開設されないので、付き合って」と頼まれて受講しました。
最初の自己紹介で、「片付けにそれほど意義を感じていません」と言って、みなさんの失笑をかいました。
ほんと、なにしにきたの?って感じですよね。
片付けるために勉強したり時間を使うのって、私はあまり必要を感じないので、そういうことが得意で大好きな人に、必要なことだけ教えてもらえばいい、と思いました。

もう一つは
日本水泳連盟上級指導者
こちらは、合宿や学科試験、実技試験がかなりハードルの高い資格です。
更新費用は大した金額ではないのですが、もうこれから水着を着ることはないだろうと思って返上しました。
わざわざ返上したわけではなく、更新講座と、ハーブ関係のイベントと日程が重なったためで、アーカイブ受講をしました。
アーカイブ受講のレポートも提出したのですが、愛媛県から本部に届いていなかったようで、本部から、愛媛県の担当者に確認するよう連絡をもらったのですが、もういいや、これもそういう機会なのだろうと思いました。

手放したことを後悔することは無いだろうと思っていたのですが
「はい泳げません」という映画を知り、その原作本を読んで、ちょっと後悔しました。
この本は映画化で初めて存在を知りました。


私はかつて県記録を持ち、インターハイ、国体に競泳で出場経験がありますが、実は小学校4年生の夏まで顔を水につけることができなかったのです。
困った親に海で開催される水泳学校へ入れられて、最後の落ちこぼれ2人に残り、修了式の後、ゴールドメダリストの鶴田義行校長に直々に指導をされました。

なので、水に顔を漬けるのが怖い、というはっきりとした記憶を持っています。たまたま関節の柔らかさが向いていたようで、水が怖くなくなって、泳げるようになるとどんどん記録を出すことができましたが、明確に怖いということを覚えていたので、泳げない人が何が怖いか、どこを克服すれば安心して練習できるのかがよくわかります。
卒論テーマは「恐怖心」でした。

そんな私がこの本を読むと、本業あるある、のつっこみどころ満載。
たぶんこの本は、泳げない人が克服する体験記を本にするという前提があったので、特別に大袈裟な指導をされたのだと思います。

冒頭に、「泳げないならそうはっきり言ってもらわないと」というコーチの言葉がありますが、水泳指導をしたことがある人なら、その人がどの程度かは訊かなくても本人の様子を見ただけでわかります。

一人一人にどのような声がけが必要かも、「できない人の真似をして泳いでみた」という部分がありますが、そんなことをしなくても、すぐにわかります。
その人の特徴やどういう指導の言葉が適切か。

良い指導者というのは、一目見てわかる、その人その人に必要な「指導の言葉」を瞬時に繰り出せる、ということです。

後半に、「自然に泳げるようになった人は、泳げない人が何に困っているかわからない」という話がありますが、私も怖い、という記憶ははっきりしているものの、顔を漬けられるられるようになってからは、苦もなく泳げたので、そのあたりは同じかもしれません。

ただ、私は、この本のコーチのように、スパルタや無理強いは、それが向いている稀な人には効果的かもしれませんが、まずは、顔をつけて安心して立つ、ことができるまでじっくりと慣れていただいて、そこからだと思っています。

顔をつけるのが怖い人を安心して水と友達になれるよう、教えることは、私はきっと日本水連の上級指導者の中でも数少ない力量があると「自分では」思っています。落ちこぼれ体験は強いです。なので、こういう人を助けてあげたいと思いました。

でもやっぱり水着になって、時間を拘束されてコーチには行かないなあと思います。
できたとしても、今は「無資格」の私ですから、スイミングでお教えすることはできません。

改めて、「資格と実力とは一致しないことも有る、それは教わる側にはよく見えている」ということを実感しています。

後日談

先日、突然資格更新可能な対象者として連絡がありました。更新時期には毎回、もう使わないからいいかな?と迷っていましたが、今回の事があり、更新しました。


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