見出し画像

コンビニ人間

村田沙耶香のコンビニ人間という小説を読んだことがあるだろうか。
主人公が、周りに馴染むために周りの人の仕草や話し方を真似して周りに溶け込み、コンビニというマニュアル化されたアルバイトに生きがいを見出す…みたいな感じの本である。
読んだのは1年前くらいだけど未だに忘れられない、衝撃的な終わり方だった。けど、そういう人ってたくさんいるんだろうなぁという感じで、どこか他人事に思えない感覚がまとわりつく読後感であった。読んでみてください。

今日はゼミがあって、わたしは卒論を出してからゼミ不登校になっていたので行くのがとても久しぶりで怖かった。ゼミの人たちは変わらない様子で挨拶をしていて、5分くらい遅れて行ったからさらに居心地が悪かった。
「ゼミのメンバー」という自分になかなかシフトチェンジできず、なぜだろうとゼミ中に考えていたけどそれは多分「ゼミのメンバー」という自分をアンインストールしてしまっていたからだと思った。
どういう立ち振る舞いをして、どう過ごせばいいのかをまったく忘れてしまっていたのだ。

その瞬間に、自分もやはりコンビニ人間だったのだと感じた。所属するコミュニティに合わせて立ち振る舞いを変えて溶け込んでいく。
特にゼミに関しては本当にずっとそうだった。みんなに不自然に思われないように、会話に合わせて発言して、ゼミが終わったらすぐに「ゼミのメンバー」である自分を捨てて教室を出る。翌週のゼミの時にはまた「ゼミのメンバー」である自分をインストールして臨む90分間。ゼミ不登校児になっていた間にこの作業をすることができなくなっていたので、今日は困ってしまった。

コンビニ人間になることは単純で簡単でとっても楽だが、本当の自分とは?となってしまうから、本当の自分をインストールし続けられる環境に居続けたいですね。終わり。

#日記 #エッセイ #コンビニ人間 #分人

これで美味しい詩集を買いますね