公害審査会判断と自治体認可部署見解の食い違いの可能性について

実際に公害審査会案件とはしませんでしたが、公害審査会の判断によっては、自治体判断と食い違う可能性があったことについて、以下にまとめました。

公害審査会を通じて、被害者住民1人案件でガスヒートポンプ設備撤去、移転要望が実現したケースがあります。

最近の公害審査会案件(公表分)
https://note.com/kousansha/n/n900c0d2a13cb


さて、札幌市からの回答文書によると、(設備の移転・撤去、運転停止等)「要望に沿った対応は困難であると考えている」との文言があります。

札幌市からの回答文書
https://note.com/kousansha/n/nb555b091d4b2

札幌市宛て 要望書
https://note.com/kousansha/n/n4d8d5042a748


これは何を意味するのでしょうか。

公害審査会の判断の結果、設備撤去・移転要望が実現した場合、事業が一時的に継続できなくなる可能性が出てきます。
公害審査会は、総務省所管なので、厚生労働省所管の認可事業の都合よりも被害者の視点での対応を優先するはずです。

つまり、札幌市は、公害審査会案件となる可能性を予期せず、あるいは公害審査会による公害紛争処理スキームがあることを知らず、あるいは、公害等調整委員会(以下「中央委員会」という。)が地方公共団体が行う公害に関する苦情の処理について指導等を行うこと、などを知らなかった可能性があります。

厚生労働省通達文書と公害紛争処理法の関係
https://note.com/kousansha/n/nf119342d1da9


最終的に、住民側が敷地内にガスヒートポンプ移転場所の適地がないと判断し、防音壁追設に関する追加要望書を提出、追加要望が実現しましたが、追加要望が実現しなければ、公害審査会案件とする予定でした。
この時点で、公害審査会が出した判断が札幌市側の判断(要望に沿った対応は困難)と食い違いが生じることを予想しました。

そういう意味で、追加要望書は、認可部署にとって認可責任追及回避手段として機能したことになります。

しかしながら、上記要望書の個別要望事項について、きちんと回答しなかったことについて納税者として問題視せざるを得ません。異なる地点で騒音公害等再発した場合どうなるか、説明するまでもありません。

ちなみに、上記要望書にて、設備審査を省略した本件認可に係わる一連の対応が「不適切な事務処理」状態にあると指摘済です。

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