解体工事粉塵問題の処理について

解体工事にて発生する騒音、振動、粉塵被害については、法規制的に緩すぎることが問題であると指摘されている。
解体工事に関する諸問題を自治体環境部局に持ち込んでも、解体工事会社に話しをしてくれた程度の結果に終わることが多い。

他に方法がないのか。

(マンション建設工事に伴う解体工事を想定し)一例として、発注者側の「企業行動規範」を「問題解決の根拠」とする方法を挙げたい。

まず、三菱地所グループのサプライチェーンマネジメント方針、行動規範を参照したい。行動規範には、一般論となるが、企業グループとして必要な事項が盛り込まれている。

https://mec.disclosure.site/j/sustainability/activities/social/supply-chain/#sec_1_1

社会(S)
サプライチェーンマネジメント
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目次
方針・考え方
三菱地所グループは、事業活動を通じて、持続可能で真に価値ある社会の実現に貢献するためには、サプライチェーン全体で取り組みを進めることが重要であると考えており、行動憲章や行動指針を踏まえ、「三菱地所グループ サプライヤー行動規範」を制定しています。ホームページで公表するとともに、主要取引先に対して通知しています。三菱地所グループがサプライヤーの皆さまに遵守いただきたい事項、期待したい事項として、法律・条例の遵守、人権の尊重、地域社会・先住民の権利・文化遺産、労働安全衛生、企業倫理の確立、環境保全と環境への負荷軽減、情報セキュリティの確保、リスク管理体制の構築に関する内容を定めています。

サプライヤーの皆さまのお取引先にも本行動規範の趣旨についてご理解・ご協力いただけるよう周知に努めていただき、持続可能な社会の実現に向け、サプライチェーン全体で社会的責任を果たしていけるよう取り組みを進めていきます。

「三菱地所グループ サプライヤー行動規範」の制定
三菱地所グループが事業活動を通じ、真に価値ある社会の実現に貢献するためには、自らのみならず取引先と協力してサプライチェーン全体で配慮することが不可欠であると考え、2016年4月に制定した「三菱地所グループ CSR調達ガイドライン」を改訂し、2022年4月に「三菱地所グループ サプライヤー行動規範」を制定しました。

三菱地所グループサプライヤー行動規範(PDF 368KB)
https://mec.disclosure.site/j/sustainability/activities/social/supply-chain/pdf/mec202204_code_of_conduct.pdf法律・条例の遵守
-1. 各種法律・条例の遵守の徹底 事業展開国で適用される全ての法律や条例などを遵守します。それぞれの要請基準が異なる場合は、より厳格な要求事項を遵守するものとします。


5)企業倫理の確立
5) -1. 公正な事業慣行
取引先に対する一方的な取引条件の強要等を含め、自由な競争を阻害する行為や不正な
競争行為などを行わず、公正な事業活動を推進します。便宜を図ることや便宜に対する謝
礼を期待する意図で、接待や贈答を行わなず、受け取らないものとします。-4. 利益相反の禁止 取引先、顧客等との取引全般において、利益相反が生じる場合には、適切に対応します。
-5. 通報制度の構築と報復行為の禁止 問題の未然防止・早期発見のため、懸念、苦情、不平を通報できる仕組みを構築するよう努めるとともに、通報者の秘密が保障され、また、報復などの不利益から守ります。


6)環境保全と環境への負荷軽減
6) -5. 汚染防止 事業展開国の法令に基づき、事業活動の中で発生しうる、大気・水系・土壌への汚染物資排出の回避または削減に向けた取り組みを行います。
排出源の特定・把握、対策の実施等、汚染防止に関する適切な管理・モニタリング体制の構
築に努めます。

次に、発注行動指針を読んでおきたい。
発注に携わる役職員が遵守すべき基本的な考え方の中に、環境保全対策が含まれており、「重要事項についてはサステナビリティ委員会・協議会の審議事項とされ、その後行われる取締役会にて報告され、取締役会の監督を受けています。」、「特に大規模な工事の発注については、三菱地所(株)執行役社長を委員長とする「発注委員会」を開催し、コンプライアンスの観点から審議を行っています。」としている。

https://mec.disclosure.site/j/sustainability/report/2017/pdf/csr2017_10.pdf

三菱地所グループの発注行動指針
三菱地所グループでは、「行動憲章」および「行動指針」を踏まえ、発注に携わる役職員が遵守すべき基本的な考え方をまとめた「発注行動指針」を策定し、公正で透明な発注・契約の実践に努めています。客観性・経済合理性はもとより、環境保全対策や情報管理、反社会的勢力との関係遮断といった内容が指針に盛り込まれています。この「発注行動指針」は当社グループ全体のガイドラインとして共有し、各社の事業内容に沿った発注・契約プロセスを構築・運用しています。

体制
サプライチェーンマネジメントについては、サステナビリティ全般を所管する三菱地所(株)サステナビリティ推進部および人権・ダイバーシティを所管する三菱地所(株)人事部が中心となって取り進めています。重要事項についてはサステナビリティ委員会・協議会の審議事項とされ、その後行われる取締役会にて報告され、取締役会の監督を受けています。また、優れたグループの取り組み等については同委員会・協議会で報告・共有される仕組みとなっています。また、「三菱地所グループ サプライヤー行動規範」の周知・取りまとめ等については、三菱地所(株)サステナビリティ推進部が行います。

なお、三菱地所(株)では、建設事業者への発注に際して事業部署と発注部署を分離し、セルフチェックシートによりコンプライアンス状況の自己点検を行ったうえで三菱地所(株)法務・コンプライアンス部が客観的に確認するなど、適正な発注・契約を行っています。特に大規模な工事の発注については、三菱地所(株)執行役社長を委員長とする「発注委員会」を開催し、コンプライアンスの観点から審議を行っています。

マンション事業
三菱地所レジデンス(株)では、新たに取引をする施工会社の選定時に「施工会社ヒアリングシート」を活用し、本社組織の現場支援体制を含む取引先の状況確認を行っています。また、工事の品質を高め、現場の安全衛生を確保するために、あらかじめ取引先から工程表や工事計画を提出してもらい、適正な工期(期間)で発注できるように配慮しているほか、現場単位で工事着工前のスタート会議や工事中定例会議の開催、施工完了時の取引先評価を行うなど、相互コミュニケーションを通じて改善を図っています。

次に、三菱地所レジデンス(株)の主な取引先にて、当該施工会社名がリストアップされているので解体工事を受注した工事会社が含まれているかどうか確認したい。

上記情報を総合すると、当該工事を受注した会社にまず連絡し、埒があかなかったら、三菱地所レズデンスに町内会長名で要望書を提出すれば、しかるべき対応をいただけそうな気がする。

https://mec.disclosure.site/j/sustainability/activities/social/supply-chain/

主な取引先

三菱地所レジデンス(株)
施工会社
岩田地崎建設株式会社
株式会社鍜治田工務店
川口土木建築工業株式会社
木内建設株式会社
株式会社熊谷組
工新建設株式会社
佐藤工業株式会社
清水建設株式会社
第一建設工業株式会社
大末建設株式会社
大成建設株式会社
大豊建設株式会社
株式会社竹中工務店
TSUCHIYA株式会社
東亜建設工業株式会社
東急建設株式会社
南海辰村建設株式会社
西松建設株式会社
日本国土開発株式会社
株式会社長谷工コーポレーション
株式会社フジタ
株式会社へいせい
前田建設工業株式会社
松井建設株式会社
馬淵建設株式会社
村中建設株式会社
村本建設株式会社
名工建設株式会社
株式会社森本組
矢作建設工業株式会社
若築建設株式会社


粉塵被害対策として、技術的には、工事区内内部を細分化、長い鋼板、ないし土入りのフレコンパック3~4段積みで所定の面積単位で区切る方法があったように思う。当然、強風時の散水措置(監視・水撒き要員の確保)は必要。
タワーマンション等、大規模マンション工事が大都市圏で今後続出すると予想される関係で、解体工事に発生に伴う「粉塵飛散防止対策強化」は、都市市民にとって、生活環境上の重要テーマとなりつつある。


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