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ドラッカーのいう「真摯さ」について。 | なぜハラスメントは行われてしまうのか。

今日、ある事実を知らされた時、真っ先に思い浮かんだのが、以下の言葉でした。

『知識もさしてなく、仕事ぶりもお粗末であって判断力や行動力が欠如していても、マネージャーとして無害なことがある。
しかし、いかに知識があり、聡明であって上手に仕事をこなしても、真摯さに欠けていては組織を破壊する。
組織にとって最も重要な資源である人を破壊する。組織の精神を損ない、業績を低下させる。』

そして、ああやはり、この組織は既に破壊されつつあるのかと、残念ながら実感をした瞬間でした。

上記は、P.F.ドラッカーの著名な著書『マネジメント』から、「真摯さ」について書かれているパートの一部抜粋です。

ドラッカーの『マネジメント』の中でも、このパートの書きっぷりには、一段と力が入っている様に感じます。

この言葉を真っ先に思い出すきっかけとなったある事実とは、昨年、私を苦しめた“ハラスメント上司”がさらに昇格する事が決まった、と言う事実です。

いや、正確には、組織ではハラスメントとは認定をされてませんし、私もハラスメントの追求は取り下げたので、“ハラスメント上司”という表現は相応しくないのですが、もはやそんな事はどうでも良く、真摯さのかけらも感じさせない人物が、真摯さの対極に存在する様な人物が、更に昇格を果たしてしまうと言う衝撃の知らせでした。

該当上司は、ドラッカーの指摘の通りたくさんの人を壊してきています(私を含め)。その影響は、当然ながら組織にも出ています。

しかし、その事実を把握できず、昇格させるという判断を下してしまうこの組織の幹部の方々からは、同じように「真摯さ」を感じる事はできません。

さらにドラッカーは、『現代の経営』(これは未読です)で、以下のようにも述べています。

“日頃言っていることを昇格人事に反映させなければ、 優れた組織をつくることはできない。 本気なことを示す決定打は、人事において、 断固、人格的な真摯さを評価することである。 なぜなら、リーダシップが発揮されるのは、 人格においてだからである。”

正に今回の出来事だと思います。

いま会社では、経営から改革だ、変革だという掛け声が盛んに発せられており、耳触りの良いキャッチフレーズが頻繁に飛び交っています。

世の中の風潮を意識してか、個人を尊重するようなフレーズやキーワードがずらりと並びますが(それこそ「インテグリティ」というキーワードも…)、実際の人事で行われるのは、個人を尊重しない人の昇格人事。

これでは、言っていることとやっていることの辻褄が合わず、変革の本気度は感じられないどころか、社員からの信頼を失うのは目に見えています。

組織が衰退していく(腐っていく)そのありさまを、目の前で見せつけられたような一件でした。

世の中には、ハラスメントに苦しめられてらっしゃる方が沢山いると思います。

そして、訴えても認められなかったり、それにより更にその組織にいずらくなってしまったり、加害者が昇格を果たしてしまったり、理不尽な目に遭われてらっしゃる方も大勢いると思います。

悲しいニュースもネットで沢山見かけます。

何故そんな悲しい出来事が起こってしまうのか。

それはここで書かせていただいた通り、残念ながらその組織に「真摯さ」が欠如していたからに違いありません。

言い方をかえれば、その組織が破壊(腐敗)されてしまっていると言うことです。

なので、納得のいかない思いもあるかとは思いますが、残念ながらそれ以上追求しても、もはや良い方向には向かわない気がします。

組織を出ることは容易い事でもありませんし、出来れば避けたい事でもありますが、腐ってしまった組織からは、もはや早々に抜け出す事が一番なのかもしれません。

私も退職ではありませんが、まずは異動する事を第一目標として、調整を続けています。

これまでの経緯や思いは、「#ハラスメントと闘う日々」として記事にまとめていますので、よろしければご参照いただければと思います。

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