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採用基準は「なんとなく」!? ~伊那食品工業を訪問して #3~

以前、「組織の命運は採用で決まる!?」という記事を書きましたが、伊那食品工業においても採用はその経営を成り立たせる重要な要素のひとつだなと感じました。

伊那食品工業には、毎年、30名くらいの新卒募集枠に、なんと1,000名近くも応募がくるそうです。

その中からいったいどうやって採用者を決めるのか・・・。

一緒に視察会に参加したある方が塚越社長に採用基準について質問したのですが、その答えはなんと・・

「これ良く聴かれるんですけどね、なんとなく、なんですよね」

でした。

実際のところ、採用基準が全くない、ということは無いと思います。

伊那食品工業の新卒採用ホームページを確認すると、以下のように書かれています。

伊那食品工業の採用ページ

しかし最終選考フェーズにおいては、やはり「なんとなく」なのでしょう。

言い換えれば「フィーリング」でしょうか。

これ以降は私の勝手なる推測ですが、恐らく、経営理念を体現できる人なのかどうかをその身体感覚で見極めている、ということなのかなと思いました。

身体感覚なので、言語化が難しい。
下手に言語化すると、その言葉だけが独り歩きをしてしまい、下手したら誤解を招きかねない。

だから「なんとなく」という表現になるのではないかなと思いました。

伊那食品工業に訪問し、社員の行動やその発言、きれいに整備されたガーデン、そして社長の講和、敷地内の雰囲気、それらをこの身で実際に見聞きし感じてきた者として思うのは、きっとこの会社の企業文化は数十年という長い年月をかけて地道に経営してきた結果、築き上げられたものなんだろうなということです。

そして企業文化というのは、目に見えないものであり、簡単には言語化しにくい。

仮に言語化ができたとしても、人それぞれによって固有の「解釈」が入るので、それを具現化するのは容易いことでは無い。

なので敢えて言語化せず、会社の求めるなんとなくの「こんな人材に入って欲しい」と、入社希望者のなんとなくの「こんな会社で働きたい」の重なり度合いを、塚越社長の身体感覚として見極めている、ということなのかなと思いました。

なお、ここまで伊那食品工業の採用について「言語化」を試みてきましたが、ここに書いたこともまた私個人の「解釈」が多分に入ってしまっているので、その本質を表しているとは言い難いなと感じています。

伊那食品工業の本質を知るためには、やはり現地に赴いて、実際にご自身の目で見て、そして身体感覚として(それこそ「なんとなく」)感じとっていただくしか無いかなと思います。

皆さんもぜひ、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。そこには想像を超えた世界が待っています。


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