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『わたしのお父さん』
ボクが父親と過ごしたのは中学一年生の春まで。
"わたしのお父さん"のテーマで何か書いてみよう。
思い巡らしても、案の定なんとも記憶が乏しい。
自分自身がどんな子育てを受けていたか、振り返るのが参考になるのではないかと思いついたのでやってみたいと思います。
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九州出身の母親は夫を立てるタイプで、我ら子どもは"立派で自慢できる父親"像を持っていたように思います。
昭和23年生まれ、靴屋のせがれ、四人兄弟で末っ子の長男、白金(地名)の私大卒、学生運動に関わり有り、草野球選手、自宅一階の靴店舗から夜に聞こえてくるアマチュア・グレゴリーバンドの歌声、好物はにしん蕎麦、家族の前では口数多くない、子どもたちの兄弟喧嘩が嫌い、人が良いせいで車"ジャックニクラウスバージョン"を乗り逃げされる、もて男?
直接聞いたのか、母親から聞かされていたのか曖昧なところも有りますが、まぁ悪い印象を抱くことは有りませんでした。
次に、当時の参考文献から記録と記憶を引っ張り出してみることにしました。
モノを捨てられない習性がようやく役に立つ時が来たのであります。
そこには果たして、幼い頃抱いていた感情が案外豊富に残されていました。
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お父さんはやさしくてなんでも教えてくれて、晩ごはんは毎日一緒。
仕入れ問屋に行くときには長男を連れて行くことも。
...そうだったの? 触れ合いほぼ無かったと思っていました。
その父親が両親から引き継いだ靴屋は週末が書き入れ時ですから、家族揃って遊びに行った記憶も有りませんが、こうして当時の記録を振り返ると、令和に比べて父子のコミュニケーションが軽視されていた時代に、父親は父親で出来ることを取り組んでいた一面が垣間見えます。
そうそう、"全く出掛けていない"というのは我が父親の面目に関わります。
商店街の友人に貰った野球のチケットを持って店から階段を駆け上がってきた父親に「こう、一緒に行くか?」と誘われ、二人で観戦しに行った記憶は唯一かもしれません。
昨年秋のくき市民祭りブースでは約200名のお子さんたちに「お父さんの好きなところアンケート」にご協力頂きました。
手書きのことばからは、お父さんたちが子どもたちによくコミュニケーションされている様子が浮かんできました。
ボクの時代から40年の時を経ても、父と子の繋がる部分はそう大きくは変わっていないようです。
いよいよ忙しく、時の流れの速い中に生きる現代パパたちでは有りますが、子どもたちと過ごす僅かな関わりの時間を、それぞれの生活環境の中で工夫して作り出していきたいものですね。
みなさまからの寄稿もお寄せ頂けましたら嬉しく思います。
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