医療少年院での勤務で目の当たりにした多くの事例からの警鐘。
必要な支援を見過ごされてきた少年たちについて語られます。
("少年"ということばには男子も女子も含まれます)
凶悪犯罪を犯しそこにやってきた少年との面接。
紙に書いた円をケーキに見立て「このケーキを3人で食べるとしたらどうやって切りますか?」という質問に答えられない少年が一定数いるということから話が展開されていくこの書籍。
一例として軽度知的障害や境界知能と診断される子は社会の中で一定の割合存在します。
もしかしたら身近なところでも?
教育現場や家庭が、生きにくさを抱える子たちへの理解を深め、配慮や支援をすることで、生きづらい日々を送る人、やるせない犯罪を減らせる可能性が有ります。
当事者になったり、事例を見ていなければ想像しにくいかもしれません。
筆者は公的支援の大切さも訴えますが、成熟には時間が掛かります。
必要に応じてこの視点を思い出せるように関心は持っていたいと感じます。