江戸のオシャレ入門書/いずみ朔庵「ウチの江戸美人」
いつの時代も、「おしゃれ」にかける想いは変わらない。
「ウチの江戸美人」は、ポーラ文化研究所サイトで連載中の、いずみ朔庵さんの「ウチの江戸美人」を書籍化した作品です。
独身会社員の現代女子ちゃんが暮らす家に、時空を超えてやってきた江戸美人ちゃん。お互いが持つ常識や「おしゃれ」や「美」への価値観の違いに戸惑いつつも、ふたりは仲良くルームシェアをしています。江戸時代の女性たちについて、おしゃれについて、楽しく知ることができる一冊です。
この本はこんな人におすすめ
①おしゃれが好き
②時代劇が好き
③江戸の女性たちについて学びたい
それでは、この作品の魅力を紹介していきたいと思います、ぴょん!
*現代女子ちゃんと江戸美人ちゃん
本作の見所は、四コマ漫画で描かれる、時空を超えて同居生活を始めた現代女子ちゃんと江戸美人ちゃんの関係性です。
江戸美人ちゃんは、見慣れない現代の道具や習慣について驚きつつも、きちんとそれらに順応して生活しています。一方で、「自分」をしっかり持っている江戸っ子らしい一面も。
対して、現代女子ちゃんは言葉遣いは乱暴ですが、落ち込みやすい部分もあり、江戸美人ちゃんに憧れています。
全く違う価値観、全く違う好みをもちながら、どこか「美」への想いは同じふたりのルームシェアは、「私もまぜて!」と言いたくなってしまうほど楽しそうです。くすっと笑いながら、江戸風俗をより身近に感じることができます。
*江戸時代の「おしゃれ」
江戸時代の女性たちは、限られた物の中でどのようにおしゃれをしていたのか。本作には、そんな「江戸美人たちのおしゃれ事情」が丁寧に解説されています。イラストだけでなく文章でも詳しく説明されているので、「江戸のおしゃれに興味があるけれど、何から読んでいいのか分からない」という方にもおすすめです。
また、時代劇ではほとんど描かれない女性たちの髪型、服装、持ち物にも焦点が当てられているので、この本を読めば時代劇がより楽しくなること間違いなし。ぜひ、江戸美人ちゃんと現代女子ちゃんのルームシェアにお邪魔するような気持ちで、手に取ってみてください。
可愛らしい装丁はもちろんのこと、「可愛いものが好き」「おしゃれが好き」という方にぜひ読んでいただきたい一冊。ほっこりあたたかな気持ちになれる江戸のおしゃれ入門書、ぜひ読んでみてください、ぴょん!
(2022年4月5日にはてなブログで公開した記事を、一部加筆修正しました。)
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