安眠の夢が夜露に消える/ブラタモリ「国土地理院」回/「平成史」読了:「とりあえずは生きていかなければならない場所としての世界」をどう捉えるか
最近、ウィークデイが仕事やその他の用事でいっぱいいっぱいで、お休みの日曜と月曜にしっかり休んで英気を養い、やるべきことの借金を返す、みたいな感じになっているので、なるべくちゃんと休めるようにいろいろ考えているのだけど、こういう時は逆に変な風に歯車が回ってうまくいかないことがある。
昨日は夜ふかふかの布団で寝たいと思って朝のうちに掛け布団と毛布を干したのだが、取り込み忘れたことに気がついたのは入浴後の夜中の12時をすぎていた。慌てて取り込んだが夜露で湿っていて、仕方ないので毛布はタオルハンガーで、掛け布団はファンヒーターの前で乾かして、少し薄い夏掛けに他の毛布をかけて寝たのだが、どうもあまり良く寝られなかった。うとうとしたまま時間が過ぎて、午前四時ごろに路上で子供の騒ぐ声が聞こえ、目が覚めてしまった。まあ、週末に眠りの借金を返すという考え方自体良くないのだが、普段から起きたらこれをしなくては、みたいなことがあってウィークデイはどうしても緊張が抜けないので、休みの日にそれを回収するという感じになってしまっている。毎日ちゃんと夜はぐっすり眠るべきなのだが、なかなかうまくいかない。
仕方ないのでファンヒーターで干してあった布団をかけようと思って取りに行ったら、少しは乾いていたようで、プラス毛布一枚でもはるかに気持ちが良かった。ただもう眠れなかったので、あまりたたないうちに起きてしまったのだが。朝なかなか起きられないというツイートがよくあるが、やはりそういうのは元気のある若いうちだよなあと思う。この歳になるとちゃんと寝るのも工夫と気合がいるので、それに失敗するとダメージがある。
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昨日はブラタモリでつくば特集。まあそんなに面白くもないだろうと思って見ていたら取り上げられたのが国土地理院と産業総合研究所の地質標本館で、気がついたところから録画をしたのだが、もっと早く気がついていれば良かった。まあ内容的には大体録れたとは思うのだが。
私は地図とかは好きで、子どもの頃はいろいろな地図を集めて飽かずに眺めていたものだが、当時の自分のとって地図を作成する国土地理院というのはキラキラ輝く存在だったなと思う。その後いろいろやりたいことが増えてそちらは目指さなかったが、今思うとそういう人生も楽しかっただろうなとも思う。
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與那覇潤「平成史」(文藝春秋、2021)とりあえず読了した。
寝不足のはっきりしない頭で読了したせいもあるのかもしれないが、ラストの筆致がかなり暗鬱になっていたし、「歴史学者をやめる」と言いながら奥付には「歴史学者」と書いてあったり、歴史学者でありながら精神医学者の叙述を歴史的事実のように取り上げていたりしてなんだかよくわからない、という印象が残った。
時代が今に近づけば近づくだけ投げやりな分析になっていく印象があるのは、彼は彼なりの客観性で現代を捉えようとしているからだろうと思うし、私はとりあえず生きていかなければならない以上は生きるに値する場所として世界を考えたいと思っているから、私にはそのように感じられたのかもしれないな、と思った。
ただ、「とりあえずは生きていかなければならない場所としての世界」という視点がやはりちょっとないんじゃないかなあという気はする。「ムーミン」に出てくるじゃこうねずみさんの「何もかも虚しい、無駄じゃ無駄じゃ」じゃないんだから、というか。
そして希望として捉えていてそれが実現しなかったからがっかり、みたいに言ってるのが「憲法9条を国際条約にして北朝鮮に調印させる」という内容だったのが何をどう考えればいいのか。希望として持つべき点と大変でも生きていかなければならない場所としての捉え方がネガポジくらい逆になってる感じなところはあった。
ただ、平成というこのような書き方をしてみれば決して短くはない時代(大正時代の倍の期間だし、昭和戦前期の5割増である。)について、自分から見て賛成できない部分も多く含みつつも、一つのパースペクティブを提供してくれたことについては、やはり労作だし思考の手がかりとしてありがたかったと思う。
最後はあまり一つ一つをしっかり考えながら読むという感じではなくなってとにかく読了しようというところもあったので読みが雑になっている部分もあるかもしれず、真意を捉え損ねているところもあるかもしれないのだが、少なくとも自分なら希望の持てる点を、あるいは少なくとも希望の種になりそうなところを少しだけでも指摘しておくような気はする。そういう歴史との向かい合いこそを否定しようというところもあるのかなとは思うけれども。
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天気が良くて、だいぶ気温が上がってきた。今朝も布団を干したので、今日は早めに取り込んでおこうと思う。
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