見出し画像

面接で緊張しない方法とは?気持ちをコントロールするテクニック

公務員試験において、その合否を最も左右するのが面接試験です。しかし、その重要度を知っているがゆえに、面接本番で緊張してしまう人も多いと思います。

もちろん、面接前に不安や緊張を感じることは自然なことなのですが、その影響が大きすぎて、本来の自分の良さをアピールできないのではもったいないです。

この記事では、「緊張の原因とその対処法」と「それでも緊張してしまった場合の対処テクニック」を紹介します。本記事を参考に、緊張と上手に付き合い、自信を持って面接に臨みましょう。



緊張の原因とは?緊張する人の共通点3選

採用担当者として多くの受験者に接していると、面接で過度に緊張してしまう人には共通点があると分かります。


1. 準備不足

もっとも多いパターンです。元面接官としての感覚ですが、過度に緊張している人の8割くらいはこのパターンです。

当然ながら、面接前の準備や練習が不足していると、「志望動機を整理できていない」「いきなり想定外の質問をされたらどうしよう」など、多くの不安が積み重なり、過度な緊張に襲われやすくなります。

また、自治体研究や組織研究が疎かになっているのも彼らの特徴です。特に、「当地域の行政課題は何か」「興味のある施策を挙げてみて」などの質問に対して、解像度の低い回答に終始する傾向があります。

具体的な対策方法としては、

  1. 想定問答集を作る
    (並行して自治体・組織研究をする)

  2. 模擬面接を繰り返す

この方法が最も効果的です。

面接で聞かれそうな質問を想定し、どんな回答をするか事前にイメージしておくことで、「何を聞かれても大丈夫だろう」という安心感が生まれます。さらに模擬面接を繰り返すことで、自分の意見や考えを言葉に変換し、スムーズに面接官へ伝えられるようになります。

■ ワンポイント!
想定問答集を使って面接練習する際は、一言一句を細かく暗記するのではなく、話の要点キーワードを覚えることが大切です。セリフの丸暗記は、逆に大きな減点対象となるため注意しましょう。


2. プレッシャーに弱い性格

公務員試験の面接は、将来の収入や労働環境などを決定する重要な場面です。その重要性を理解している人であるほど、本番へのプレッシャーも大きくなる傾向があります。

また受験者によっては、もともと人前で話すのが苦手という人もいます。面接では、普段話さないような年配の面接官に囲まれて、慣れない口調で質問に応えなければならない場合もあります。そんな中で、「自分はどう見えているのだろう」「質問にうまく答えられなかった。恥ずかしい」などと感じ、緊張に拍車がかかってしまうことがあります。

解決が難しい問題ですが、対策としては、やはり慣れが重要です。模擬面接を繰り返しましょう。特に、大学であればゼミや研究室の指導教官、高校であれば進路指導の先生など、「年齢が離れた大人」に面接練習してもらうのが望ましいです。

■ ワンポイント!
面接本番では、面接官がやや圧迫気味で質問してくる場合があります。これは、意図的な場合もありますが、大抵は面接官も緊張しているというケースがほとんどです。このため、対人での模擬面接を依頼する際は、「やや圧迫気味でお願いします」と提案するのも効果的です。


3. 真面目な性格

何事にも真剣に取り組み、完璧さを求めてしまう人ほど、ミスを恐れて緊張しやすい傾向があります。

このような受験者は、必ずしもマイナス評価となるわけではないのですが、あまりに緊張が過ぎてしまうと「仕事でも失敗を恐れて何もできないのでは?」という懸念を面接官に与えてしまう可能性があります。

このような方は、「ひとつのミスで合否が決まるわけではない」ということを強く自覚しましょう。

「言葉に詰まってしまった」「頭が真っ白になり、話を最後までまとめられなかった」など、受験者からすると致命的に思える失敗であっても、実際の減点としては微々たるものです。(減点されない場合も往々にしてあります)

もちろん、面接官の指示に従わなかったり、公序良俗に反する返答をした場合などは別ですが、基本的にひとつやふたつのミスで合否が決まるわけではないことを覚えておきましょう。


緊張はマイナス要素なのか?

結論から申し上げると、基本的に減点対象ではありません。

そもそもな話、せっかく多くの予算と人員を費やして採用試験を実施しているのに、緊張しているというだけで候補者を減点するのはナンセンスです。大事な場面での緊張は人として正常な反応ですし、「公務員になりたい」という気持ちの裏返しであることがほとんどです。

もちろん、「まったく会話が成り立たない」「面接官の指示が通らない」「体調に悪影響が出ていそう」など、相当重度な場合は合否に影響しますが、そのような受験者は極めて稀です。

また、「最初は緊張していたが、面接の後半にかけて改善された」などの場合は、仮に面接開始直後に過度な緊張を示していたとしても減点されないことが多いです。


面接前の不安を和らげる心理テクニック3選

ここまで述べた通り、緊張そのものが減点リスクとなる可能性は低いです。しかしながら、「緊張によって自分の良さを発揮し切れない」というリスクは確かに存在します。

ここでは、本番前に緊張してしまった場合の対処テクニックについて解説します。どれだけ準備をしていても、本番特有の緊張感に飲まれてしまうことは往々にしてありますので、万が一のために覚えておきましょう。


心理テクニック1:深呼吸

深呼吸は、緊張や不安を和らげる最もシンプルな方法です。鼻からゆっくりと息を吸い込み、その2倍くらいの時間をかけて口からゆっくり息を吐きだします

深呼吸をすることで、心拍数が落ち着き、副交感神経が活性化されます。これにより、リラックスした精神状態に導かれ、冷静さを取り戻すことができます。面接の前には、数分間ゆっくりと深呼吸を行い、心身ともに落ち着かせましょう。


心理テクニック2:自分の心境を実況中継する

自分の感情や状態を言葉に出すことは、緊張をほぐすのに役立ちます。

たとえば、「私は今、緊張している」と小さく言葉に出し、自分自身でその状況を認めることで、現在の感情を客観的に捉えることができます。これにより、感情がコントロールしやすくなり、緊張を和らげることができます。

このような現象は「カタルシス効果」と呼ばれ、精神医学や心理学の分野でも使用されています。

カタルシス効果
不安や不満、緊張や悲しみなどの苦痛が、口に出すことで緩和され、安心感を得られる現象のこと。

面接前の緊張があまりに大きい場合は、自分の心境を小さく声に出してみる(もしくは、口を小さく動かしながら心の中で言葉を唱える)ことで、心を落ち着かせましょう。


心理テクニック3:周囲を意識しすぎない

面接会場では、他の受験生が自分よりも優秀に見えることがあります。

しかし、他人と自分を比較することは、余計な不安を増大させるだけでなく、自信を損なう原因にもなります。特に、集団面接の時などは、他受験生の成果や実績に目を向けすぎないようにしましょう。

「自分なら大丈夫」と言い聞かせて、背伸びをせず、等身大の自分を見てもらうことに集中することが重要です

ちなみに、面接官の立場からすると、面接の場で実績や成果を強調する受験生を特別扱いすることはありません。むしろ等身大で、素の人柄や表情をはっきり見せてくれる受験生のほうが良い印象を持ちやすいです。もちろん、印象だけで評価が決まるわけではありませんが、「分かりやすい優秀さ」が合否を左右するわけではないと覚えておいてください。


まとめ

今回は、面接前の緊張の原因と、その対処法について解説しました。

面接は、公務員試験において最も配点比率が高い試験であり、誰もが多かれ少なかれ緊張する場面です。しかし、事前の準備と少しの工夫で、その緊張は大幅に軽減することができます。

今回紹介したテクニックを参考に、自分らしい最高のパフォーマンスを発揮できることを願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?