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「半身」で生きよう

話題になっていた本、『何故働いていると本が読めなくなるのか』を読みました。
これから、「読書」という趣味を掲げたい人、かつて「読書」が趣味だった人、「読書」に抵抗がある人、様々な人におすすめの本だと私は感じました。

作中によく出てくるのが、『花束みたいな恋をした』。
この映画、私が初めて見た時、登場するカップルの麦と絹のすれ違いがあまりにも生々しく、観ているうちに段々とやめてくれ……!!という気持ちになったものでしたが、本書では彼らについて考察を丁寧にされており、改めて『花束みたいな恋をした』を見返したくなりました。

"疲れたときは、休もう。そして体と心がしっくりくるまで、回復させよう。本なんか読まなくてもいい。趣味なんか離れていいのだ。しんどいときに無理に交友関係を広げなくていい、疲れているときに無理に新しいものを食べなくていいのと同じだ。
そしてーーーーーー回復して、新しい文脈を身体に取り入れたくなったとき、また、本を読めばいいのだ。"
ここの部分を読んだ時、私は、無理して本を読まなくていいんだ……と思いました。
私はとにかく本が好きで、1日に読めなかった日があると、今日は本が読めなかった……とショックを受けてしまうのですが、ええやん!読めなくても!と励まされました。

タイトルの、「半身で生きよう」も著者三宅香帆さんの言葉より。
三宅さんは、"「半身」とは、さまざまな文脈に身をゆだねることである"と仰っています。
全身全霊を傾けた方がいいタイミングというのも人生には存在しますが、ずっと全身全霊だと疲れてしまう。
仕事や家事や趣味など……さまざまな場所に居場所をつくり、さまざまな文脈のなかで生きている自分を自覚する。
こういう生き方を、これからの人々は目指していってもいいのではないでしょうか?

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