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正論を言う空気を読めない人

こんにちは。高校5年生です。

皆さん、集団で物事を進める上で1番怖いのはどんな人だと思いますか?色々挙げられますよね。
私は、「正論を言う空気を読めない人」が1番怖いです。そう思ったきっかけはまさに、「正論を言う空気を読めない人」と出会ったからです。「人の振り見て我が振り直せ」という教訓も込めて、その方のことをお話ししていきます。

私は大学でとある団体に所属しております。その団体を中心で動かしている1人が、私が「正論を言う空気を読めない人」だなぁと思った方です。仮にAさんとしておきましょう。

Aさんは団体を中心で動かすメンバーの中では1番下の立場で、他の学生達をまとめる立ち位置です。もっと上の立場の偉い方からの指示を受けて、学生達に指示通り動くよう働きかけています。これまで学内の様々なプロジェクトを動かしてきましたが、どれもAさんが学生を率いる立場で関わってきました。

私は活動の節々でAさんと話したり、全体で話すAさんを見たりする機会がありました。そのときは「サバサバしているなぁ」「意見ガンガン言うし、気が強そうだなぁ」と思うくらいでした。押しが強いタイプで、正直に言うと少し苦手意識はあったのですが、間違ったことを言っているわけではないので「そういう人もいるよね」と何となく合わせておりました。

そんなAさんを「正論を言う空気を読めない人」だなぁと思ったのは、昨日行われた会議の場での振る舞いを見てからです。

その日、打ち合わせの場には学生とAさんしかおらず、団体を中心で動かしている他のメンバーはいませんでした。最初はレジュメを見ながら今後のスケジュールについて話す時間が取られ、良い雰囲気でした。
空気が変わったのは話すことがなくなった後です。ずっと進行をしていたAさんは話し合うことがまとまった後も、息つく暇なく喋り続けました。1時間半を過ぎると、「次の授業があるので」「部活に行くので」と言って半分以上の学生が次々と退室していきます。最終的には私を含め、あまり喋らない学生が5人残りました。話すことはなくなりましたし、打ち合わせは毎週行われるので「じゃあもうそろそろ解散しましょうか」となるはずでした。
しかし人数が少なくなればなるほど、Aさんのマシンガントークに火がつきます。事前に打ち合わせを抜ける予定があると言っていない私は、何の理由もなく退出するわけにもいかず、静かな会議室で頷き続けました。

Aさんは本当によく喋りました。しかも、喋る内容が面白かったら良いのですが、面白さはありません。私達学生に対するお説教でした。内容は端的にまとめると「意見を出せ」「喋らないから良いアイデアが出ない」「活動にもっと一生懸命になれ」「社会人としてのマナーを身につけろ」「私の言う通りやる人を優遇する、私に失礼な態度を取る人はそれなりの扱いしかしない」が中心でした。正直、ツッコミどころが多すぎて素直に受け入れて反省することができる内容ではありませんでした。以下、話を聞いている私の脳内です。

「いやいや、意見出しても何だかんだないことになったり、意見言ったからってそれをやらなきゃいけなくなったりするじゃん……」
「喋らないのは意見がないんじゃなくて、あえて何も言わないようにしてるんです……」
「上から言われたことをさも自分達で考えてやったかのようにやらなきゃいけない活動、なかなか一生懸命になれないと思います……」
「マナー悪い人のこと色々言ってるけど、それ、ここにいるメンバーではないので……ここにいる人達はちゃんとしている学生さんなので……その人に言った方が良いのでは?」
「え、あなたに気に入られるために活動するってことですか……嫌です……」

本当にお説教のテンションで話し続けるので、会議室の空気がものすごく重たかったです。話を遮ろうにも言葉を挟む機会がなく、これまであまり喋ってこなかった学生ばかりで、誰もマシンガントークを止める方法を持ち合わせておりませんでした。
途中、「頷くから気持ち良くなって喋り続けるのかな?」と思い、頷くのをやめてみたのですが、変わりませんでした。むしろ、頷かなくなったことで「コイツ話聞いてんのか」と思われたようで、頷いていたときより私を見る回数が増えました。

お説教タイムが一通り終わると、休憩もなく愚痴タイムに入りました。これは本当に学生達に関係のない話です。Aさんは会議室がとんでもない空気になっているのにも気づかず、「失礼な態度を取ってきた奴の話」や「嫌だったことの話」を延々と続けました。お昼に始まった打ち合わせ。気がつけば窓の外は真っ暗でした。

卒論提出を間近に控え、1時間も多く時間を欲している時期に「前回の打ち合わせ、予定があって欠席しちゃったから悪いな」と何とかスケジュールを調整して来たのに、こんな暗い気持ちになるなら来ない方が良かったかなと思いました。来なくても別に差し障りのない打ち合わせでしたし、例えAさんに「あいつ、全然来ないんだけど」と陰で悪口を言われようとも、私は3ヶ月後には卒業していなくなりますし。
2、3年生の学生さんはAさんのことをどう思っているか分かりませんが、もし私と同じように苦手だと感じている方がいるとしたらこの先どう付き合っていくのか心配です。

来週も打ち合わせは行われます。打ち合わせが開かれそうな時間帯は既に予定が入っており、「重なってくれないかな」と思っている私がおります。
加入当時は自主的にプロジェクトを動かすのが楽しかったのですが、今年度に入ってから団体の活動の趣旨が変わったようで、立場の偉い方の言ったことをそのまま学生がボランティアで遂行するような団体になってしまいました。放っておいても3月には卒業して離れることになりますが、1月・2月は定期試験に加えて卒論発表会や1年生の授業のお手伝い、内定者イベントや入社前課題、資格の取得など忙しくなりそうなので、なるべく団体の活動に時間を取られたくないなと考えております。
以前の自分であれば活動への参加が少なくなって陰口を言われたくない、みんなに良い顔をしたい気持ちで無理していたでしょうが、今はそうすべきだと思いません。上手くできるか分かりませんが、上手に距離を取る方法を考えるつもりです。

Aさんと接する上で難しいのは、やはり「正論を言う」ところです。間違っていることを言っていたら止められますが、何も間違ったことは言っていないのです。正論にかこつけて自分のやりたいことを通すのがものすごく上手いのです。正論で武装されたら、私は敵いません。
そして「空気が読めない」ところも強すぎます。私だったら説教や愚痴なんて、もしも人に聞かせようものなら相手がどんな気持ちになるか痛いほど想像するので話しません。せいぜい、こうして嫌だったことをnoteに書くぐらいです。けれどもAさんはご自身で「私はやりたいようにやる、人の気持ちをあれこれ考えたりしない」と言っていらっしゃる通り、本当に周りを見ていないように感じられます。自分というものを持つ上で一種の「厚かましさ」みたいなものはある程度必要で、そういう意味では空気が読めない一面も持っておくべきなのですが、Aさんはそういう一面が前面に出ているように見えます。

ここまで書いたAさんの様子は、私から見た主観的なAさんの姿です。そして、私も自分では気づかないうちに、「正論を言う空気を読めない人」になっている可能性があります。そのため、これは自分への戒めとして書きます。常に謙虚であること、そして周りをよく見ること。これ、ものすごく大切です。
と言っても、客観的に見ると間違っているのは私の方かもしれません。私は大学内に仲間も友達もおりませんが、Aさんにはいます。Aさんが言ったことを聞く人がいるわけですから、私が真っ正面からAさんに反論しても勝てません。私にできることは団体の雰囲気を変えることではなく、自分を変えることだけです。そう思うと、人としてどうかという部分はさておき、Aさんの振る舞いは正解なのかもしれないですね。

以上、「正論を言う空気を読めない人」でした。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。

また次の投稿でお会いしましょう!