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空の器09 看護師が病気になるということ


看護師は基本的に人手不足だ。限られた人数で人の看護を行う。
自分がしんどいから休もう、とすんなり休めるかと言われれば正直無理がある。


 よく言われる看護師あるあるがある。看護師があまりにも休めず、具合が悪くても出勤していることが多いから、「看ている患者さんより体調不良で重症な看護師も割といる」と笑い話にしているくらいだ。
(笑い話にでもしないとやっていられない)


なんだったら体調不良を告げると心配どころか、本人の体調管理を咎められることも少なくないのである。(それでも当然休むことは難しい)


正直なところ、本人がいくら気を遣って体調管理をしていても防げない病気ももちろんあるわけで、十年働いていても相当理不尽だと思うし、馬鹿馬鹿しいと思う。自己犠牲は美しくなんかない。
それに比べて世間は働く女性の権利が守られだしていて本当に喜ばしいことだと思う。(月経休暇とか介護休暇とか、見かけるようになりました。実際のところはわかりませんが)
実はちょっとだけうらやましく思う。内緒だけど。

なので、看護師として働きながら当事者として思うことは、理不尽だということ。
(同じ女なんだから甘えないで、最近の若い子はすぐに音を上げて逃げる、根性ないわね、私たちの若いころはもっと苦労してたわよ、よかったわね早く帰れて誰が仕事すると思ってるの、迷惑かけていい身分ね、妊娠は病気じゃないのよ、つわりは早く起きればマシになるじゃない、自分で調整できないなんてだらしない)なんて言うのは、よく聴いた。古い病院ではよく聞く。
実は看護師の世界はハラスメントの温床だ。
人は自分勝手だ。

しかし、実際にそれを発しているのはお局様クラスしか見たことがない。50歳以上だ。(たまに若いのもいるけど少数)
最近の若い子は絶対に言わない。彼らは気が付いている。連鎖したって何も良いことがないことを知ってる。最近の若い子はとても利口です。一緒に仕事がしやすいのも彼らだし、スタッフ同士心配して協力ができるのも彼らです。
今の医療の現場は「最近の若い者」によって助けられています。脱線してしまいましたが、私はそれを認識できたことが、誇らしい。
彼らの内、同じ病気になってしまう子もいるだろうと思うと、少しでも助けになればいいなと思う。

まあ、それはさておき。何もなければ、看護師は気が付かない「病に伏せる」ということ。医療者の威圧感。麻酔や痛みの中で問われる質問を正確に言葉を伝える難しさ。

白衣を着て働いていると気が付かないことに、立場を入れ替えてもらってようやく気が付くことが出来る。

本当に人間は勝手です。
そしてすぐに忘れてしまう。

忘れたくないので残すことにしました。
看護師として、女として、人間として。

栄養剤をぶっ差してやってくださいませ(´・ω・`) ナニモノにもなれないようなナニモノにかはなれたような、不完全で不器用な人間のはず。良かったら戯れてやってくださいませー!