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空の器13/今からちょっとふわふわしますね。が合図

 病棟奥の処置室に通された。ここで分娩が行われているのかはわからない。その時は知りたくなかった。


この日のために「上下の分かれるパジャマ」的なものに着替えてきてねと言われていたズボンと下着を脱ぐ。


処置台に乗って、心電図モニターの電極を貼ってもらう。
左手の指にはSPO2測定用のプローブをはめる。(血中の酸素濃度を皮膚越しに測定できる便利なもの)

右腕では定期的に血圧を測っていた。
処置台の両脇に足を通す輪になったベルトが吊られている。パンツは脱いで、それに足を通す。足がぷらぷらする。


準備をしていると先生がやってきて、点滴の途中から何かを注射器で入れていく。透明な液体は、点滴を通って、私の中に入ったんだと思う。それが静脈麻酔だったらしい。
これを入れるとね、今からすこしふわふわしますからねー
なんとなく「わかりました」と笑って答えたような気がするけど、気が付いたら深い眠りに落ちていたような気がする。その日の担当の看護師さんがにっこりしていたのだけ覚えている。スイッチをパチンと切るように眠りに落ちた。


大きいナプキンを持ってきてねと言われた意味をその後に知る。


栄養剤をぶっ差してやってくださいませ(´・ω・`) ナニモノにもなれないようなナニモノにかはなれたような、不完全で不器用な人間のはず。良かったら戯れてやってくださいませー!