【教育歳時記】教科書の活用

本日もよろしくお願いいたします。本日、ある方のツイートを見ましたが、少し思うことがありました。それについてのご意見をツイートしましたが、予想以上に反応があり、僕の私見をもう少しこちらで話したいと思います。
教育歳時記ですが、無料公開とさせていただきます。最後までお付き合い、よろしくお願いいたします。

■教科書学習は大事

皆さんは、どのようにして学習していますでしょうか。ほとんどの方は教科書を使って学習しているはずです。しかし、現状はどうかというと、教科書学習をしている方は少ないです。そのため、塾や市販のワークを使って要点整理をして、問題を解いている、これで終わっていませんでしょうか?
少し頑張っている方は辞書型参考書や補助輪参考書を用いて内容理解をしていると思います。

では、なぜこんなことを言うのか?その話は、以下のツイートが流れてきてからです。

このツイートを見たとき、社会だけの話ではないことが分かります。が、実際教科書で確認して学習している人は少ないです。
このツイートを受けて、僕はこのような引用RTをしました。

僕は、塾などで習ったテキストを活用することを言うと同時に、教科書でも確認するように伝えています。ほとんどの人はテキストの確認をするだけで終わる方が多いです。

ワークでもそうです。問題を1回解いただけで終わり、ワークに解答だけを写して、学習した気になっている、すでに理解しているはずなのに同じ問題を何回も意味なく繰り返している、などこのような生徒を見てきてます。

この際言います。定期テストの学習ならこのやり方でも点数が取れるかもしれません。しかし、模試や入試になるとこのようなやり方は意味がありません

上記の記事は、教科書をもとにした入試問題の出題例ですが、予想以上に正答率が低いなどの問題がありました。つまり、受験生の大半は、教科書学習を軽視している結果になっていることが分かります

■教科書学習軽視の理由

ここで、なぜ学生は教科書学習を軽視しているのか、ということですが、この理由として考えられそうなことをいくつか挙げてみたいと思います。もし、この意見に相違がございましたらコメントなどで教えていただけると幸いです

➀授業がプリント中心に行われている
→まず、真っ先に上がるのが、学校の先生が授業をプリントの虫食いを中心に行うため、生徒はほとんどこのプリントだけを使って学習をしているのが原因ではないのでしょうか。
プリントを使うな、とは言っていません。その後の活用法について指導しなければいけません。教科書の記述の中には、プリントだけでは補完できない内容がある時もあります。つながりの理解ができない場合もあります。こういったときに教科書を使ってその流れと関連性を補完する必要があります。この話は、ノートで授業を行っている場合でも同様です。

②参考書・ワーク中心の学習になっている
→これについては、活用法の問題だと思います。決して悪いことではありません。
僕は映像授業をしているときには、それに対応するテキストやノートなどを使っています。しかし、映像の中でも参考書を使うことも指示しています。が、生徒が使っている教科書を軽視した発言はしていません。むしろ、活用してください、ということもいっています。
しかし、ほとんどの方は、ワークや参考書で学習していることが多いので、教科書で確認をすることをしていない方が多いのでは、と思います。

③教科書の使い方を間違えている
→教科書を辞書代わりに使う人が多いのでは、と思います。例えば、学校のワークを行うときに、解答を教科書を使って調べている人が多いのですが、その学習では長期記憶にはならないうえ、知識の定着につながりません。
教科書は辞書ではありません。しっかりと文章を読んで、内容の理解をしっかりと行ってください。
そして、指導者がその使い方を指示していないこともあり、正しい教科書学習ができていないのでは、と思います。

そのほかにも理由はあるかもしれませんが、こういった理由より、教科書学習が軽視されてきているのでは、と思います。
そして、この傾向は、理科や社会では非常によく見られる問題です。塾でも復習のときに教科書を活用することもいっていかないといけません。

■知識の確認は一問一答、だが……

これについては一長一短あります。知識の確認として活用するなら一問一答集は使えます。しかし、これを中心として学習をするのはリスクしかありません。この学習は、高校入試でも正答率が低い理由にもつながっています。一問一答集はそのまま行った場合、問題文と実際の問題が同じだったらすぐに答えられるものの、少し言い回しが変われば答えられない事態も起こることになります。そのため、様々な文言の言い回しもカスタマイズしてほしいと思います。

もし、このような学習をして定着させる方は、様々な問題の言い回しをカスタマイズしたうえで、どの形で出題されても答えられるようにしてください。そして、一問一答は知識の確認程度でとどめてください。
できれば、重要語句の内容は教科書を使って確認してほしいと思います。これが周辺知識の定着にもつながってきます。

■問題を解いたのちでも教科書学習を

これは問題を解いたのちに、教科書学習を復習で活用してほしい、という意味があります。

【問題演習のやり方】
・問題演習を行う単元の知識整理を10分程度行う→問題を解く(10~15分くらい)→答え合わせ・解説を読む→ノートなどで照合して知識のカスタマイズ(教科書などを活用)
・数日置いて解きなおし(間違えたところを中心に)→一問一答で知識の確認(小テストでもよい)→ノートなどで照合して知識のカスタマイズ→これを単元ごとに繰り返しを行う。問題演習は1つの問題集で3周までにとどめる

問題演習を行う前に必ずその単元の学習・知識整理を10分程度行ってください。その後、時間を計って問題を解いてください。ただ、最初のうちは時間についてはそこまで気にしなくていいです。慣れてきたら、短時間でどこまでできるかをやっていくといいでしょう。
問題を解いたら、その場で答え合わせを行ってください。この時の注意点は、○か×かだけを付けるようにしてください。間違ったところを赤字で間違い直しをするのは効果は薄いです。必ず自分で一度解きなおしてください。それでもわからない場合は赤で書きなおしてください。
その後、間違えた問題を中心に解説を読んで、解答のポイント・根拠をしっかりと押さえてください。そのときに納得いかないところは教科書・自分のノートなどを使って照合をしてください。そこで新たな知識を得たら必ずノートなどにカスタマイズしてください。

そして、同じ問題を繰り返す場合は、日数をある程度置いてもう一度解きなおしてください。このとき、間違えた問題、わからなかった問題、正解はしたがカンで正解したもの(根拠を示せなかった問題)、などについては、もう一度解きなおしてください。
知識を総整理するときに、ここで初めて一問一答を使ってください。そこで答えを口頭でいえるかどうか確認しましょう。記述に不安がある場合は、そこで初めて書くようにしましょう。その後、ノート・教科書などで照合をし直しましょう。

気を付けるべき話は、1冊の問題集は多くても3周が限界だと思ってください。よく、問題集は何冊やればいいですか?という質問を受けます。

【問題集をやる冊数】
・基本的には6冊以上、1冊を3周まで行う

これが僕の中の回答です。3年間を通じて6冊であるなら、この冊数はむしろ少ない方です。様々な用途を考えれば、1年間で6冊は十分にできると思います(3年間使うものも含む)。
具体的には、通年学習用1冊、3年間のまとめ1冊、定期テスト用ワーク2冊(上下巻ある場合が多い)、実戦問題集1冊、入試用問題集2冊以上……と1年間で6冊行うのはそこまで難しくありません。これに講習用のテキストも入るので、皆さんは知らず知らずの間に1科目で最低6冊は学習しているはずです。ちなみに、これは市販参考書・問題集を除いた冊数です(春期・夏期・冬期の問題集、通年ワーク1・2冊、3年間のまとめ、入試過去問など中3だとこれだけの問題集を1年で行います)。これに加えて塾教材や市販教材などを行っているとすれば、年間で10冊くらいを1科目で行っているのです。それを知ったうえで、最低6冊以上といっているのです(講習会用の学校教材はほとんどの人は作業で行っている人が多いため、その冊数を除外してもいいと思います)。

参考書学習を行っても教科書学習は疎かにしないようにしましょう。

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