教科書の要約と年表で学ぶ日本史 学習法
本日もよろしくお願いいたします。先週、Amazonより「高校の先生がつくった 教科書の要約と年表で学ぶ日本史」(山川出版社)が届きました。それをもとにさっそく学習を進めていきました。そこで、この教材を用いて正しい学習法を提示できたら、と思っています。
本日は、この使い方を話していきたいと思います。これから学習をしていく方の参考になれば、と思います。最後までお付き合いよろしくお願いいたします。
■「教科書の要約と年表で学ぶ日本史」の形式
この問題集がどのタイプの問題集なのか、これを知らなければ購入したときに大変なことになります。
この問題集ですが、「詳説日本史ノート」や「書き込み教科書」(以上山川出版社)に近い形式です。よって、まとめノート形式の問題集とみていいです。そのため、問題集とは少し異なります。これだけで学習を行うのはやや危険です。
そして、この内容は「詳説日本史B」(山川出版社)をベースに虫食い形式の問題となっています。そのため、前述の問題集を持っている方は無理して購入する必要はありません。よって、ノート形式の問題集として、上記の2つ、「日本史ノート」(旺文社)、「ルーズリーフ日本史ノート」(Gakken)などの中から1つを持っていれば十分です。
もし、使っている教科書が「詳説日本史B」でない場合は、これを使ってノートを作るのもありだと思います。そのうえで使っている教科書と整合して付け加えたらいいと思います。この問題集をそのまま書き込みで使うのがいいと思います。むしろ、ノートに書いて、ということをしなくてもいいです。そして、書き込むならオレンジのペンで書くようにしましょう。理由としては、赤セルを被せたときに書いた文字を消すことができるからです。
■特徴と学習法
虫食い形式の問題集であることは先ほど述べたとおりです。年表も一緒に使って、その範囲で学ぶ内容を教科書内容に即して行うため、無理ないレベルで学習できる利点はあります。そして、「書き込み教科書」と異なるのが、年表も適宜活用している点ですが、こちらはあまり過度な期待をしない方がいいです。あくまでも大まかな歴史の流れをつかめられれば問題ないと思います。
この問題集の最大の利点は、原則見開き2ページでまとまっている点です。そのため、ほかのノートと異なり、まとめやすく見やすい利点はあります。
欠点としては、職管図などの図版や補足事項を書くためのスペースがせまい点です。そのため、書くべき事項については、模試や入試演習などで出たもの、学校の先生が細くした関連知識や周辺知識などに絞った方がいいでしょう。
これをベースにして、土台を固めたのちに問題演習をする参考書という立ち位置になります。ですが、これだけで入試対策ができるとは思わないでください。
学習法としては、以下のレベルに応じて変えていけばいいと思います。
➀日本史が苦手な人
直接オレンジのペンで解答を見ながらでいいので、一通り埋めてください。その後、教科書を使って内容の確認を行ってください。間違っても、解答を埋めるだけで学習を終わりにしないでください。まずは空欄になっているところだけで構わないので、確実に押さえてください。ただし、後々にはそれだけでは不十分なので、空欄になっていない歴史用語や歴史名辞にも気を付けてください。
その後、内容整理を行った後に土台作りの問題集を1冊やってください(土台問題集が仕上がっているなら、実戦問題集を行うといいです)。
②日本史を私立受験で使う人
教科書を見ながらでいいので、問題集を埋めてください。鉛筆で書くのもいいし、オレンジのペンで直接書き込んでもいいと思います。もちろん、最初に教科書の一読をしたうえで自分で埋めていってもいいと思います。このときの注意点は、虫食いになっている語句・内容だけでなく、周辺知識にも気を配ってください。この時の基準は、共通テストや私立入試の正誤判定になっている内容も意識してください。
③日本史が得意な人、難関私立や二次試験で日本史が必要な人
教科書の一読を行った後に、自分の力で虫食いをしてください。できなかったところを教科書を見ながらでいいので、空欄を埋めてください。
その後、内容整理を行った後に問題集を解いていきましょう。
上記2つの例と異なるのは、こちらのケースの場合は、「論述問題の解法」についてもしっかりと一読したうえで問題にとりかかってほしいです。そのうえで、補助輪参考書として、「日本史の論点」「日本史実力強化書」(以上駿台文庫)や「共通テスト日本史Bが1冊でしっかりわかる本 上・下」(かんき出版)などで知識の整合を図ってください。そこで新たに手に入れた知識を補足してください。そして、余力があるなら、「新日本史B」(山川出版社)、「日本史新訂版」(実教出版)などの教科書で足りないところの補強を行ってもいいですが、物理的にそれは難しいので、問題などに出てきた都度で整理しておくと十分です。
なお、年表などを用いる時期区分が絡んでいる問題は時代の推移・変遷を意識して整理をしておくといいでしょう。その時に簡単にどのような変化なのかをメモしておくといいでしょう。
■レベルとしては
一番気になるのは、ここではないのでしょうか。僕はレベル的には、基本固めを行うことができるレベルであること、加えて上位私立や二次試験でも十分に活用することができると思います。使い方次第ではどのレベルでも対応できると思います。ただし、使い方を間違えると、困惑してしまうリスクは高いです(この記事を見ているのが受験生の場合は今あるもので対応するのがベターですが、もし、このタイプの問題集がない場合に限って購入してもいいです)。もし、上記のノート型の問題集がない場合は1か月弱で仕上げるといいですが、別のノート型の問題集を持っている場合は、そちらをしっかりと使ってほしいと思います。
この問題集を使う場合、土台となる問題集としては、今まで紹介した問題集を使うと十分です。もし、別の問題集を使う場合でもやり方の基本は変わりません。
これらを済ませたのちに、次の問題集は志望校によって変わりますので、ここでは言及しません。
上記の記事でもその次に行う問題集について話しています。上記の記事も一読いただけると効果は倍増します。こちらでは、共通テストのみ、私立受験、難関私立、国公立二次とそれぞれのレベルに対応した問題集の一例をあげています。これが全てではないですが、参考にはなると思います。
9月からの日本史の学習についてですが、昨年の記事を一読いただきたく思います。
学校選択型選抜、総合型選抜を受験するが、一般入試が本線の人は特にこの記事は一読ください。この時期で一気に学習の仕方を間違える受験生が多いです(特に日本史や世界史学習者によくみられる)。そして、本番の時に取り返しのつかない選択をしてしまうことになる恐れもあります。そのリスクを少しでも軽減するために、今のうちに正しい学習をしてください。そして、9月以降でも日本史の学習を疎かにしないでください。
受験まで早い人は9月から始まります。共通テストまであと4か月ありません。ですが、4か月あります。これから本格的に塾や家庭教師などで日本史の学習を行う方は、こういうことを意識したうえで土台を完成してください。
皆様のサポート、よろしくお願いいたします。