2022年日本史共通テスト実戦問題集

本日もよろしくお願いいたします。
そろそろ共通テストに向けて実戦問題集を行う時期になっています。
実戦問題集のレベルに関する話は以前の記事でも話しています。今回はそのレベルの話ではなく中身の話に踏み込みたいと思います。
僕は日本史が専門なので、この話は日本史について話したいと思います。
最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

■実戦問題集の種類

共通テスト実戦問題集ですが、共通テスト用の実戦問題集は主に大手予備校から出版されている以下のものを指します。

【共通テスト実戦問題集】
・共通テスト総合問題集(以下河合)
・大学入学共通テスト実戦問題集(以下代ゼミ)
・大学入学共通テスト実戦問題集(以下駿台)
・共通テスト実戦模試(以下Z会)
・共通テスト実戦問題集(以下東進)

他にも旺文社の共通テスト実戦対策問題集、KADOKAWAの共通テスト予想問題などもありますが、これらは実戦問題集とは異なるため、ここでは紹介しません。

■共通テスト総合問題集(河合)

河合の実戦問題集は模試が6回あり、共通テスト本試が2年分の計8回あります。模試6回分を中心に見ていきたいと思います。

【河合実戦問題集】
1回目:中世まで
2回目:近世まで
3回目:近代(大正時代)まで
4回目:全時代
5回目:中世まで(高2用の模試)
6回目:近現代(昭和初期)まで(高2用の模試)

河合出版・共通テスト総合問題集より

これを見るとわかりますが、河合出版の共通テスト総合問題集はある程度の時代をまとめて実戦形式で学習するには最適な問題集だとわかります。なぜなら、中世まで仕上がれば1・5回目の問題を行い、近世まで仕上がれば2回目の問題を行えばいいのです。もう一つ大きな特徴が、その時の模試の平均点などが掲載されている点です(一部は掲載がないものもあるが)。つまり、問題全体の難易度をはかりながら問題に取り組めるという点では利点だと思います。
欠点としたら、本格的な問題形式についてはやや弱いところがあります。本格的に全時代を学習できるのが本試験を除くと1回分しかないのです。ですが、ある程度の時代をまとめて実戦形式で解くという点では利があります。これとあと1冊、というのは全く問題ではありません。

■大学入学共通テスト実戦問題集(代ゼミ)

ここ数年は実戦問題集として物足りなく感じていた問題集ですが、問題の質は思ったよりも高いと思います。ひと昔前は実戦問題集は河合か代ゼミをやっていたと思います(僕の現役時代も河合・代ゼミにZ会だった)。
では、代ゼミのラインナップは以下の通りです。なお、本試験は最新年度の本試のみでした。

【大学入学共通テスト実戦問題集(代ゼミ)】
第1回:近代まで
第2回~5回まで:全時代

大学入学共通テスト実戦問題集(代ゼミ)より

第1回目こそ近代までですが、それ以外は全時代を網羅しているので、実戦的に取り組むには最適の問題集となります。代ゼミの実戦問題集の大きな特徴は、代ゼミの本科や直前講習で行われた実戦テストや直前予想問題からも掲載がある、という点です。これは他の実戦問題集にはないものです。過去にこの直前予想問題などからも本番に直結した問題も出題された実績があるので、それを体感できる、というのは大きな利点となります。第5回は2年前の直前予想問題を使っているので、最後の仕上げでも使うことができると思います。
欠点としては、ここ数年は模擬試験を行っていなかったこともあり、統計がないため、実際の得点などがわからない点です(ひと昔前の実戦問題集ではこれがウリだった、といっても過言ではない)。

■大学入学共通テスト実戦問題集(駿台)

駿台の実戦問題集は、全ての回でオリジナル問題を掲載しているのです。つまり、過去の模試を使っていない(かもしれない)で、全て駿台のオリジナル問題で構成されています。共通テストも2年分の本試験を掲載しています。
全5回とも全時代が範囲となっています。そういう点でも、実戦的に取り組む問題集として最適といえるでしょう。

駿台のもう一つの特徴は「直前チェック総整理」という最終まとめを行うものがあることです。これは、同じ駿台文庫で出ている共通テスト直前対策パック(学校採択専用)にも付属しています。模試の解説などと併用して使うといいと思います。

■共通テスト実戦模試(Z会)

Z会の問題集と前述の駿台の問題集については回数が同じ、範囲も同じ、全5回オリジナル問題なので、どちらかを行うのがいいかな、と思っています。Z会と駿台の違いは、2年分の本試験の掲載だけでなく、2年分の追試験(2021年は第2日程)が掲載されている点です。追試験を掲載しているのはZ会だけです
欠点とするなら、やや難易度が高い点です(駿台も難易度は高いけど、それよりもZ会の方が高い)。ただ、共通テストで9割をとる人は駿台・Z会のいずれかはやっておいた方がいいです

■共通テスト実戦問題集(東進)

東進も実戦問題集を出しています。東進の模試は「本番を想定した模試」を強く押し出しています。そのことを考えると実戦向きの問題が多いとみてもいいと思います。模試の回数は4回で範囲は全て全時代です。過去の本試験は掲載がありません。東進の実戦問題集のサイズは唯一のA5サイズ(他はB5サイズ)です。
そして、最大の特徴が、模試の解説動画がある点です。ですが、僕個人の私見ですが、僕はなぜか東進の模試があまり好きではないです。ただ、これは個人的見解なので、正しい表現かどうかは別ですが。
難易度については詳しくは見ていませんが、河合・代ゼミと並べてもいいのかな、と思っています(もし違っているならコメントなどで教えていただけると幸いです)。

■各実戦問題集の特徴 まとめ

まとめると以下のようになります。

【各種実戦問題集の特徴】
①河合:時代に応じて実戦問題ができる、問題も標準的でとっつきやすい
②代ゼミ:3・4回目の実戦問題が代ゼミの本科テキストの問題、直前対策として活用できる
③駿台:要点まとめチェックがある、問題が全てオリジナル問題
④Z会:問題が全てオリジナル問題、本試験・追試験の問題が最新版も含めて掲載
⑤東進:模試の解説動画がある

こんなところでしょうか。もし、異なる点がありましたら申してください。受験生の皆様、自分の目標点や今の学習進度などに応じて実戦問題集をうまく活用してください。

皆様のサポート、よろしくお願いいたします。サポートいただいたものは一般社団法人CAMELの活動費として活用させていただきます。