歴史総合テキスト作成

本日もよろしくお願いいたします。現在、オンライン授業を行っている傍ら、これから必要となってくる歴史総合のテキスト作成を行っています。現在僕が何をベースにして歴史総合のテキストを作っているのか、というのを特別に公開したいと思います。
もちろん、一つの参考なので、他の方とは異なるかもしれませんが、その辺はご容赦ください。

■歴史総合のテキスト

これについてですが、現在作成している歴史総合のテキストは、僕が現在出講している予備校、オンライン授業、映像授業などで使用するオリジナルのテキストとなります。これはこれから出講する予定の予備校でも同様に使用するものとなります。
もちろん、この歴史総合は新科目であるため、当然ですが、ベースとなるものがありません。といっても日本史と世界史の近現代を中心として作成するのがいいと思います。しかし、日本史と世界史の近現代の内容をそのまま使うとキャパシティーがオーバーします。そのため、どこまで削らないといけないか、を判断しないといけません。
そのためにはテキスト作成で重要となるベースとなる教科書の選定が必要となります。

■歴史総合テキスト作成の参照教科書

歴史総合の教科書をベースに、といいましたが、現在歴史総合の教科書は12教科書あります。そのため、どれを使ってもいいとは言えませんが、ある程度ベースとなる教科書は決めておいた方がいいと思います。

①歴史総合 近代から現代へ(山川出版社)

僕が歴史総合のテキスト作成のベースとしているものはこの教科書となります。この教科書については、探究などの学習には不適(日本史と世界史のベタ張りという評価)といわれましたが、テキスト作成のベースとしては適している、と思います。そのため、大まかな枠組みはこの教科書をベースにするのは間違いないと思います

②私たちの歴史総合(清水書院)

これについては、教科書記述というよりは、資料・史料の補完になります。教科書本文での参照は少ないものの、使える資料・史料などは多いと思います。そのため、ある程度仕上がったのちに検証する、という使い方になるかもしれません。

③詳述歴史総合(実教出版)

この教科書は①で十分でない個所の補強を行う目的があります。そのため、僕が使用する補強教科書は上記の教科書がベースになりますが、そのほかの教科書としては、「新詳歴史総合」(帝国書院)、「新選歴史総合」(東京書籍)、「高等学校歴史総合」(第一学習社)、「現代の歴史総合」(山川出版社)なども使っています

■歴史総合テキスト作成の参照参考書

今度はテキスト作成の参考として使える市販参考書などを検討します。

①よくわかる歴史総合(Gakken)

先日発売されたばかりの辞書型参考書ですが、文章のまとめ方、必要な個所などの参考は十分にできます。もちろん、それをそのまま使うわけではないのですが、一つの作成の参考として活用させていただいています。
ただ、注意点としては過度に使わないようにすることです。あくまでもベースになるものは教科書なので、参考にすることはできるけど、過度に使うことないように気を付けています。ただ、複数の教科書を参考にしている関係で、バラバラになりやすい時系列などを整理する、という使い方なら問題なく使えると思います

②とってもやさしい歴史総合(旺文社)

これも①と同様の使い方になります。こちらは①よりも整理されている点でよいのですが、単元によっては飛び飛びになることもあるので、使い方には気を付けないといけません。主には周辺知識や関連知識の補完として使うのが基本となります。

③歴史総合要点チェック(山川出版社)

教科書で①を使っている以上、参考にしないといけない問題集となります。どちらかというと、本文テキストをまとめた後のチェック問題の作成に使うのが基本となります。もちろん、補完した箇所については、その都度日本史・世界史の教材などを使ってまとめ直します。

④現代の歴史総合ノート(山川出版社)

これについてですが、どちらかというと、要点整理ノートとして使うよりは、資料読解などで使うことがメインになります。よって、講習用のテキスト作成のベースになる可能性が高いと思います。
要点整理用のノートについては「歴史総合 近代から現代へノート」(山川出版社)、「スタンダード歴史総合」(エデュケーショナルネットワーク・塾用テキスト)、「新歴史総合要点ノート」(啓隆社・学校用教材)の方がいいと思います。

■授業用のネタとして使える文献など

最後に授業用のネタとして使っている文献の紹介です。一部は日本史や世界史で使っている教材もあります。

①新訳世界史史料・名言集(山川出版社)

僕が今回の歴史総合のテキスト作成を行う際に必要だと判断した教材の一つがこれです。特に「歴史総合 近代から現代へ」を使っていると、世界史のほとんどの史料はこれを使っていました。もう一つは後述する「世界史史料」(歴史学研究会・岩波書店)です。まず、世界史で使われている史料については、この2つを中心に参照しています。

②日本史史料集(山川出版社)など

日本史の史料を使うなら、この史料集を使うのが基本となります。もちろん、他にも第一学習社の史料集、とうほうの史料集も使えます。僕は近年では第一学習社ととうほうの史料集を使っているケースが多いです(山川も使わないわけではないが、やや史料集の発刊が古いのが欠点です)。

③歴史総合シンフォニア(帝国書院)

資料集としては、こちらを使うのが中心となります。あとはとうほうから出ている「問いから始まる歴史総合」も使えると思います。ただ、後者については、教科書で紹介した清水書院の使い方に近いかもしれません。

④研究書など

最後に研究書ですが、これは歴史総合についての文献もこれから増えてきますが、現在お勧めしている文献は以下の通りです。

【8/6現在のおすすめ文献】
1.歴史総合をつむぐ(東京大学出版会)
2.世界史の考え方(岩波新書)
3.歴史像を伝える(岩波新書)
4.ものがたり戦後史(ちくま新書)
5.世界史史料(全12巻、岩波書店)
6.論点・西洋史学(ミネルヴァ書房)→東洋史学、日本史学(8月20日頃発売)も刊行
など

所々の要所ではこれらの文献も使うことがあると思います。一応、教科書ベースを意識していますが、新説などを見るなら文献を見るのがいいと思います。1は大学講義でも教科書として採択される教授もいる可能性はあります。


テキスト作成についてはあくまでも土台をつくったに過ぎないので、今後、資料・地図・文面など気を付けないといけないところが多いと思いますが、一つのベースが作れると今後の授業構成などが楽になります。
上記のものは現在こんな感じで作成・校正を行ってます。まだ、試行錯誤の感じなので、ある程度ものができてから改訂は行おうと思ってます。

現在、予備校用のテキストは1学期分の単元は仕上がっていますが、これからの校正を考えると、もう少し配列などを変える可能性はあります。そのためには、様々な教科書の研究もしないといけません。
これが済み次第、公共も作成に当たる予定です(ベースとしては現代社会があるので、参考にする教科書などは決めていきたい)。


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