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平成生まれが好きな80年代洋楽PV10選④

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今年2021年で開局40周年となるMTV。音楽を耳だけでなく、目でも楽しむというスタイルが定着した80年代、曲は勿論PV(プロモーションビデオ)も趣向を凝らしたものが多数作られ、それらはこのMTVを通じて聴衆に届けられ、やがてリアルタイムではない後追いの自分にさえ刺激や影響を与えました。一応第四弾となる今回も自分が気に入った80年代洋楽のPV(と曲)を10個紹介してきます。


1.Adam & The Ants「Stand And Deliver」(1981)

海賊ファッションに身を包み、80年代前半人気を集めたアダム・アント率いるグループによる独特のリズムが印象的なヒット曲のPV。ビジュアルも曲も個性的ならばPVも個性的で、マスク・オブ・ゾロのような出で立ちで早速アダムが木から飛び降り颯爽と登場、その後も貴族達?の食事会に窓ガラスを突き破って乱入したり絞首刑にかけられそうになる所を脱走と、そのやりたい放題ぶりから当時の彼らの勢いが伝わってくる気がします。

2.Grace Jones「 I've Seen That Face Before (Libertango)」(1981)

早過ぎたレディ・ガガ、とでも言えそうなモデルや女優として007シリーズにも出演する等マルチに活躍するグレイス・ジョーンズによるアストル・ピアソラで有名な「リベルタンゴ」をレゲエ風にアレンジしたカバー。帽子やくちばしのような三角形のオブジェを次々と外していく冒頭から強烈で、少しずつカメラが引いていくことで撮影場所が明らかとなる終盤を除けばグレイスのアップが続いたりするだけなんですが、彼女の個性的なビジュアル故に妙な緊張感が映像から漂ってきます(圧が凄いというか、ある意味怖い?)。

ちなみに彼女は前述のアダム・アントとスクーターのCMで共演しています。

3.Irene Cara「Fame」(1982)

アイリーン・キャラによる音楽専門学校に通う学生達を描いた映画「フェーム」の主題歌のPV。曲が作られヒットしたのは1980年ですがこのPVが作られたのは2年後の1982年で、PVは一部映画の映像を挟みつつニューヨークの街角でアイリーンが歌に合わせて口パクをしているだけのシンプルなものですが周りを取り囲むニューヨーカー達にイエローキャブ、ホットドッグの屋台にブロードウェイの劇場と当時の光景が何より新鮮で、歌詞も相俟って「この街で一旗揚げるやるよ!」という意思や熱気が伝わってきます。

4.Asia「Don't Cry」(1983)

プログレッシブロックグループの大物メンバー達が集結したグループ、エイジアのヒット曲のPV。メンバー一人一人が「インディ・ジョーンズ」の如く冒険家に扮し砂漠やジャングル、ピラミッドを探索する内容で、ボーカルのジョン・ウェットンを除くメンバー三人は最終的にピラミッドに行き着くのですがある謎の女性やトラップによって散々な目に遭います(笑)。演奏技術や能力はお墨付きで時にインテリジェンスな雰囲気も感じる彼らですが、こういうコミカルな演技を披露するのは新鮮ですね。

5.Al Jarreau「Mornin'」(1983)

ベテランのジャズ・フュージョン系ボーカリスト、アル・ジャロウのAORの要素も含んだ爽やかな曲のPV。ディズニーのような世界観とキャラ達にアルが囲まれるわけですが、合成は時代を考えればかなり自然に仕上がっており、中盤からは風船を掴んで空を飛んだりなんとゴールデンゲートブリッジの上の部分を歩いたり滑ったり地味に凄い事をしています(!)。曲の雰囲気を忠実に再現するかの如く希望に満ちた内容はやはり80s、そして優しそうなアルさんならでは、といった所でしょうか。

6.Wham!「Wake Me Up Before You Go Go」(1984)

皆さんご存知80年代を代表するポップデュオ、ワム!「ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ」という邦題も印象的な大ヒット曲のPV。カート・コバーンや一部ヘヴィメタルといったダークな世界観を売りにする人々がこの場に居たら泡吹いて倒れそうな位の爽やかポジティブ100%状態の曲とPVは元気が湧くと同時に一種の狂気さえ感じる程。メンバー二人が着ているキャサリン・ハムネットによる大きな文字がプリントされたTシャツ含め80sの魅力がふんだんに詰まってます。

7.ZZ Top 「Sleeping Bag」(1985)

アメリカントラック野郎御用達のベテランロックグループ、ZZ Top(not爺爺)が電子音も大胆に取り入れた大ヒットアルバム、「アフターバーナー」からの曲とPV。泥棒達に大金を狙われる女性(と男性)の逃亡劇を描いており、彼らがピンチになるとメンバー達とこのグループお馴染みの車「エリミネーター」が毎回彼らを救助。「エリミネーター」はブルドーザーとの対決の末、亡くなってしまったかに見えたのですが、その後の展開がまたユニークで車に乗ってる美女三人も80sらしさが。逃走する女性を演じているのは「13日の金曜日」と並び80sホラーを代表する映画「エルム街の悪夢」でヒロインを演じたヘザー・ランゲンカンプ

8. Terence Trent D'Arby(Sananda Maitreya)「If You Let Me Stay」(1987)

プリンス殿下の好敵手として華々しくデビューした、テレンス・トレント・ダービー(現在の名前はサナンダ・マントレイヤ)による60年代のR&Bを現代に蘇らせたようなヒットシングルとPV。テレンス本人もバックバンドのメンバーも黒に統一されたファッションに身を包み、スタイリッシュな雰囲気の中サム・クック直系のシャウトをしながらドレッドヘアを振り乱しスプリット(股割り)含む運動神経の良さを伺わせる俊敏な動きを披露する様は、凝ったPVでなくとも人を惹き付ける魅力に溢れてます。

9.Whitesnake「Here I Go Again」(1987)

ディープ・パープルデイヴィッド・カヴァデール率いるホワイトスネイクの全米1位を獲得した曲のPV。冒頭からジャガーの上で体操を披露するデイヴィッドの当時の婚約者タウニー・キティンが亡くなった(ついでにとっくの昔に離婚した)今では少々虚しさを感じますが、その後も日本の暴走族か選挙時の政治家顔負けのハコ乗り(車の中から身を乗り出したりドアに座ること)を披露したり対するデイヴィッドも豪快にマイクスタンドを使ったり凄まじいシャウトで応戦、そしてその直後にステージの火花が炸裂とハードロック系のPVの中でもバブリーな内容に。


  10.Debbie Gibson「Electric Youth」(1989)

歌って踊れて曲も書けるティーン・アイドル、デビー・ギブソンのピコピコ音やオーケストラヒットが炸裂する大ヒット曲のPV。ファッションは勿論、一部だけカラーのモノクロの映像処理、所々に映る白の背景でポーズを取る所、遊園地のアトラクションみたいな絶妙にチープな城のセット、3:40~辺りからの間奏におけるシュールな合成と80年代を締めくくるに相応しい色々な内容が盛り込まれており、個人的には同時期放映していた海外ドラマ「フルハウス」を何故か思い出してしまいます(日本では平成以降も放映していましたが)。


第5弾も気が向いたら投稿します。


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