平成生まれが好きな80年代洋楽PV10選②
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今年2021年で開局40周年となるMTV。音楽を耳だけでなく、目でも楽しむというスタイルが定着した80年代、曲は勿論PV(プロモーションビデオ)も趣向を凝らしたものが多数作られ、それらはこのMTVを通じて聴衆に届けられ、やがてリアルタイムではない後追いの自分にさえ刺激や影響を与えました。第二弾となる今回も自分が気に入った80年代洋楽のPV(と曲)を10個紹介してきます。
1.Michael Jackson「Smooth Criminal」(1988)
80年代どころか全年代を代表する?スーパースター、マイケルのPVはどれも凝ってる上に好きなものが多くて選ぶのが難しいのですが、観る度にいつも痺れる感覚を特に抱くのはスリリングなこの曲のPV。「Bad」と並びこの頃のトレードマーク的な真っ白のスーツに身を包んだマイケルが1930年代風のギャングのアジトに入り、コインをジュークボックスに投げ入れ曲がスタートする冒頭から素晴らしい。そして世界を驚愕させた7:05~からの斜め立ちやその後のSmoothな動きと文句なしのクオリティ。
2.Steve Miller Band「Abracadabra」(1982)
60年代から活動するベテランロックグループによるニューウェーブの要素も取り入れた大ヒット曲。日本人としては海老一染之助・染太郎兄弟による「傘回し」を彷彿させる冒頭から反応してしまいます。「アブラカダブラ」とはマジックショーで用いられる呪文だけに、PVもショーのような摩訶不思議な世界観が展開。中盤のスティーブ・ミラーによるユニークなサウンドのギターソロと目隠し線のような本人のサングラスにも注目!
3.Go West「Call Me」(1985)
イギリスのシンセポップデュオの爽やかな風通しの良さを感じるヒット曲(とは言ってもアメリカでは最高54位に留まる)。映画のようなセットの中で、バックダンサーがバク転したり、空中で停止、他にも天井を這ったりその天井で人と椅子が回転したりとシュールな演出が目に留まり、2:30以降からは少し驚きの展開が(ヒントは冒頭の映画館に貼って有るポスターで、このポスターの映画も実在します)。
4.Kim Carnes 「Bette Davis Eyes」(1981)
邦題は「ベティ・デイビスの瞳」。特徴的なハスキーボイスが魅力のシンガー、キム・カーンズの年間1位も獲得した1981年を代表する淡いシンセサイザーのサウンドも印象的な大ヒット曲。キムが歌うステージとは逆の観客席に居るのはサーカスのような奇妙な衣装を着た謎の集団。そして彼らは曲のハンドクラップ(手拍子)音に合わせて大規模なビンタ大会を展開、挙句の果てには床まで叩き出す始末。歌で会場を支配するキムはさながらこの宗教団体の教祖とも言えそうです。
5.Def Leppard「Foolin'」(1983)
デブ・パレードでもなく、勿論「パプリカ」を歌ったグループでもありません。80年代ボン・ジョヴィらと並び一番商業的に成功したイギリスのハードロックグループのヒット曲です。基本はシンプルなライブ風のPVなんですが、ハープを弾く女性や魔女が序盤や中盤に登場したり、サビではいきなりボーカルのジョー・エリオットが屋上に少々チープなガイコツが描かれたビルに囲まれて拘束されるという胡散臭い演出が。しかし曲は哀愁漂う割と真面目な曲となっており、曲とPVのギャップがなんか印象に残りますね。
6.Toni Basil「Hey Mickey」(1981)
自分の世代では「ワンナイR&R」のゴリエの↓のカバーでも有名且つ世界でも最も有名なチアリーディングの曲でもある大ヒット曲。このチアガール姿で踊るPVという地点で斬新ですが、振付師でもあり、元々チアリーダーとしての経歴を生かしたトニー本人の動き(しかも当時で既に30代後半!)もやはり圧倒されますし、一見女性風ですがよく見ると男性にも見えるバックダンサーが気になって仕方ないです。
7.Herbie Hancock「Rockit」(1983)
「踊る!さんま御殿!!」でもお馴染みの曲。60年代からジャズピアニストとして活動しているハービー・ハンコックは、ジャズ以外の様々なジャンルを吸収し、80年代にはヒップホップやブレイクダンスといったストリートカルチャーに大接近、これはまさにそれらを吸収した80年代のハービーを代表する一曲ですが、PVも相当凝っているというか、シュールで人によっては怖い。機械仕掛けの(赤ちゃんや下半身のみ含む)マネキンがガクガク動いたりしているだけなんですが、一度観たら忘れられない強烈さが有ります。
8.Starship「Sara」(1985)
60年代から活動するベテランロックグループがスターシップに改名してからの大ヒット曲。セーラという女性に想いを馳せるシンプルなPVですが、一部モノクロ調の映像だったり、シンプルで素朴な田舎の家、幼い頃の寂しい記憶を辿るような内容は叙情的な曲と相俟って少し涼しくなった夏の終わりや今頃にぴったりなもの。PVのセーラと思わしき女性はトム・クルーズ主演の「卒業白書」や、「ゆりかごを揺らす手」といった映画でもお馴染みのレベッカ・デモーネイ。
9.The Cars「Magic」(1984)
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」でもそのグループ名がキャラクター名に拝借された、ボストン出身のポップロックバンドによるヒット曲。カーズは「You Might Think」という曲のPVも当時賞を獲得する位斬新なんですが、今回はこちらを選びました。ボーカルのリック・オケイセックがプールの水面を歩くだけなんですが、最初観た時は驚きました。そして、終盤他の人達がプールに飛び込んでも歩くことが出来ず、そのまま水中に入っているのを見るとこれがリックの「マジック」である事が伺えます(?)。プールサイドに集まる人達も個性溢れる面々ばかりで奇妙な夢を見ている感覚にも陥りますね。
10."Weird Al" Yankovic 「UHF」(1989)
最後は反則的チョイスですが、パロディ歌手、アル・ヤンコビックによる自身が主演した映画「パロディ放送局UHF」のテーマソングのPV。マイケル・ジャクソンのパロディである「Beat It」ならぬ「Eat It」、「Bad」ならぬ「Fat」でも良かったのですが、これはガンズ・アンド・ローゼス(「Welcome To The Jungle」)、ジョージ・マイケル(「Faith」)、ロバート・パーマー(「Addicted To Love」)、プリンス(「Little Red Corvette」)等々80年代のあらゆる歌手やグループのPVのモノマネが詰まっており、言わばオードブル的PVで非常に楽しめる内容になってます(個人的には3:32のビリー・アイドルの「Rebel Yell」のモノマネでカメラにヒビが入る所がツボ)。
第三弾も多分やります。
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