ハッピーエンドを書こう__自己催眠のススメ_

ハッピーエンドを書こう『自己催眠のススメ』その2

お世話になっております。素人以上作家未満の管野光人です。

前回で予告したように自己催眠の具体的な方法を教える前に、そのマイナス面を提示しておきたい。

口当たりのよい文章ばかりでは、あまりにも不誠実だと思ったからです。甘い言葉ばかりでは、だれも信じないでしょうからね。

物事には良い作用があれば、悪い反作用もあります。それが自然の摂理であり、人生の幸不幸も同じだからです。


アンハッピーエンドな結末

あなたはアンハッピーエンドな小説と聞いて、何を想像しますか?

まず「ホラー小説」が頭をよぎるでしょう。

その「ホラー小説」という単語を検索してください。はい、wikiには「欧米におけるホラー小説の歴史」として、

エドガー・アラン・ポー
メアリー・シェリー
ハワード・フィリップス・ラヴクラフト

上記の名前が写真入りで列挙されていますね。

よろしい。アンハッピーエンドな小説を紡いだ彼らの人生の終焉を探りましょう。


まずポーです。

世界初の推理小説と言われる「モルグ街の殺人」で有名ですが、ゴシック風の恐怖小説「黒猫」などでも名を知られる作家です。

1849年10月7日にボルティモアで、ポーは謎の死を遂げました。40歳没。

彼が意識不明で発見されたとき、なぜか他人の服を着せられ、死の前夜には「レイノルズ」という誰とも知らぬ名を繰り返し呼んでいたそうです。


次にシェリーです。

いわゆる「作家の悪夢」として「フランケンシュタイン」を世に残した女流作家です。

1851年2月1日にロンドンで、脳腫瘍により息を引きとりました。53歳没。

彼女は波乱の人生を演じた一方、産まれた子供たちは次々と死去し、夫のパーシーが暴風雨によりヨット沈没で死去するなど、不幸な人生を歩んだ作家でした。


最後はラヴクラフトです。

現代で「クトゥルフ神話」の始祖として有名です。

ところが、生前は売れない三流作家として、無名なまま腎炎で死去しています。46歳没。

悪夢にインスパイアされた怪奇小説を生活の糧にしていましたが、彼はその悪夢に悩まされたばかりか、閉塞された身の境遇を呪いながら生を閉じた「恵まれぬ天才」でもありました。


ホラー作家の歴史を彩る3名の終焉を見た感想はどうでしょうか?

すくなくても幸福な人生とは言い難いですね。これも「催眠暗示文の文章を書いているうちに、自分も催眠状態にできる」結果だと思います。

不幸な結末を書いていた彼らは、自己催眠暗示によりアンハッピーエンドな人生を潜在意識に刻んでいたからです。

前回の冒頭で紹介したように、自分は寝る前に怪談朗読を聴くのを止めました。怪談やホラーは、人の不幸にまつわる物語ですからね。

ですから、潜在意識にアンハッピーエンドを刻みたくなかったからです。


自己催眠を試してみよう

それでは、前回で残っていた自己催眠の「暗示文」を紹介しましょう。

前回に紹介した『クイック自己催眠』では翻訳文に難があるので、今回は新たに武藤安隆著『自己催眠』から暗示文を拝借しました。

以下は「潜在意識から知恵を授かる」ための暗示文です。

潜在意識から知恵を授かる暗示文は以下です。わたしは深い森を歩いている。
暗い夜の森を月明かりを頼りに歩いている。
しばらくすると、1本の高い木が目に入ってきた。
一休みしようと腰を下ろすと、「ホー、ホー」と声が聴こえてきた。
驚いて上を見ると、木の枝に1羽のフクロウが止まっていた。
すると、フクロウが声をあげた。
「怖がることはありません。私はあなたの分身なのですから」
わたしは驚いていると、さらにフクロウが言葉を続けた。
「私はあなたの心に住んでいるのです。
私は潜在意識が形をとったもの、知恵の働きを担っている存在です。
私はあなたのことは何でも知っていますよ。
あなたは小説のアイデアを求めているのですね」
わたしはフクロウから授かった知恵を大切に持ち帰ることにした。
フクロウにお礼を言って、わたしは日常生活にもどっていく。

いかがでしょうか。

簡単にするため短めにアレンジしましたが、これが潜在意識から知恵を授かる方法です。

もちろん、あなたが目的とした「暗示文」にも作り直せますよ。

ぜひ、あなたも自己催眠を試して、潜在意識から知恵を拝借してください。


「その物語の書き方は、その人の生き方が表れる」

これは自分の持論です。

潜在意識の発露が創作活動ならば、物語の結末でその人の道程が読みとれるのでしょう。

自己啓発執筆術では、物語を書きながら幸せになるのが目的です。

ハッピーエンドの物語をたくさん書いていけば、自然とあなたも幸せになれるはずですよね。

ですから人々の心を豊かにするために、ぜひハッピーエンドの物語を紡いでいこうではありませんか。


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