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優しさ

#暮らしたい未来のまち

「私は、ダニエル・ブレイク」という映画がある。ケン・ローチが撮った映画で、高齢の大工職人、ダニエルが主人公だ。
心臓に病を患ったダニエルは、仕事ができなくなったので、仕方なく、国から援助を受けようとしたのだが、彼の前に、ネット申請という壁が立ちはだかり、悪戦苦闘するわけだ。
ケン・ローチの映画はいつも痛く哀しいが、その反動というか、無性に主人公を応援したくなる。だからこそ、俺たちは救われるんだ。
皆で応援しよう。

最近、ダニエルほどには困ってはいないが、俺は若干、うんざりしている。
というのも、俺の住んでるところでは、コロナワクチンのネット申請ができないのだ。驚くべきことに、市からのお知らせも、その申請も、全て郵送である。
俺は昭和に生きている。

話しは少し変わって、先日、年金事務所に、年金の2年前納クレジット払い申請をしに行ったのだが、これも当然の如く、ネット申請はできない。やはり昭和なのだ。
その年金事務所で驚いたのが、そこで、沢山の職員が働いていることだ。俺は思った。いや、悟ったと言ってもいい。こういった手続きを、全てネット申請で完結できるようにしてしまったら、彼らの仕事がなくなってしまうのだろう。申請書類のあちこちに、判子を押す仕事は、必要なくなってしまう。由々しき事態だ。

俺は、税金を払っている市民の、暖かな優しさを、確かに感じた。心は軽くなり、朝から気になっていた腰痛も、不思議と消えてしまったかのようだ。いい街だ。
実際、赤紙がEメールで届いたりしたら、嫌だろ?

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