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札幌市南区のアーティスト浅井憲一さんに聞く〜前編〜

こんにちは!みなみくアート広報部です。


札幌市南区で活動するアーティストに着目した記事の前編です。今回は彫刻作家である浅井憲一さんにインタビューを行いました。
記事は3弾構成となっています!
前編では
「浅井さんにとっての南区とは」「作品について」をテーマにお聞きしました!

「地域で活動するってどういうこと?」「アーティストの方に興味がある」
など、当てはまる方必見です。
ぜひご覧いただければと思います!

後編はコチラ↓


番外編はコチラ↓


浅井憲一さんプロフィール

浅井憲一さんの作品

浅井憲一さんインタビュー


1.南区で活動している理由を教えてください。

「もう南区に来て32年になるんだけど、来たのはやっぱり音を出していい場所を探していたから!
以前は夜も作品をつくっていた。だからどうしても音が出るし、それに鉄を叩いたり焼いたりするから、衝撃に耐えられる場所を探して、見つけたのが南区だった。」

「元々は大阪に住んでいたけど、小学校3年生の時に父親の転勤で札幌に引っ越してきた。その後上京して、札幌に戻ってきたのは父親を看取るためだった。その時の実家は別の場所にあった。帰った当時は絵を描いていたけど、途中から鉄の彫刻を制作することにしたので、南区に移った。」



2.南区は浅井さんにとってどんな場所ですか?

「僕が制作するにあたって、音を立てられるし、奥さんも畑が好きだし文句なしかな。井戸もあるし!」



3.南区に住んでいて不便だなって思うことはありますか?

「具体的にあんまりないんだけど、不便さがあるのもいいかなって思ってる!
若干買い物行くのも遠いし、除雪もしないといけないから、不便といえば不便なこともいろいろあるんだけど、十分便利なところで育ってきたから不便もいいな、許容範囲だなと思う。」

「静かだからいいよ。人がいないところだから。昔はキジがいて親子で歩いてる姿を見れたり、街灯もないから流星群が見れたよ。星って一方向にだけ流れるかと思ったら、下から上とかいろんな方向に飛んでた!あと雷!作品制作の作業が終わって夜中の2時ごろかな、分厚い雲の間からあちこちに光の筋が見えて、思わず子供と女房起こしたよ(笑)
街中にいるとなかなか空を見たりすることがないけど、街灯がなくて暗いからこそ星が見える。
街中にもあるんだけどね、気づけなかったりってことなんだと思う。」



4.動物モチーフの作品を作り始めたきっかけは?

「元々風景とかを一切描いたことがなくて、人物ばっかり描いてた。モデルさん居なかったら自分を描いたりしてね。そうやって描いてきて、道展をやめて個展をやろうと決めた。」

「だけど、ギャラリーなんかでやっても、ギャラリーのお客さんと自分の数少ない知り合いくらいしか来ない。それは嫌だなと思って。自分の作品をどういう形で見てくれてるのかなとか、そういうのをやっぱり知りたかったから、人通りの多い通路のような場所で作品展をやったんだ。朝の11時から夜中の2時くらいまでかな、酔っ払いと喧嘩しながらね(笑)
その時に個展を開こうと決めてから開催まで半年くらいあったから、人物という『いかにも彫刻』というものだけじゃなくて、動物だとか色々作ってみようと思ったんだよね。」

「そうして継続的に作っていたら、『等身大の鹿の作品を作ってくれないか』だとか、話がきて、今も依頼で鹿を作ってる。」



5.今の作風はどうできあがっていきましたか?

「最初にやり出したのは、鉄彫刻の作品展に友達に誘われて行ったことがきっかけ。そこで溶接した状態で作品になるっていうのが僕にとっては凄く魅力だった。鉄でも板状のものがあったり棒状のものがあったり色々ある。形を細~くしても鉄って保つんだよね。どーんと大きいものではなくて、凄い危うい形だとか、そういうのもできるってことを鉄を触り出してから徐々に知った感じかな。」



6.鉄に出会った時のことを教えてください。

「鉄に出会ったのは20代半ばで、その頃1年くらい絵が描けない時期があったんだけど、当時は夜に自分をよく描いていたから、段々形を描くだけではなく、自分の心情とかと向き合い続けないといけなくなってきて、それが苦しくなった。だから、絵に変わるものを探してたんだと思うんだよね。そういう時期に鉄に出会って、すぐに『やろう!』って思った。」



前編はここまでです!
今回は浅井さんが札幌市南区で活動している理由や今の作品形態に至るまでについてが分かりました。

浅井さんがいかに必要なものに巡り合い、選び抜く力がある方なのかが伝わる内容でした。
「作品展の帰り道に自分もやろうと思って道具を買い揃える」なんて、なかなかできる事じゃないですよね。

後編は、普段どのように制作に取り組んでいるかや、モチベーションについて深掘りします!ぜひご覧ください!


撮影・インタビュー:みなみくアート広報部