2024/05/04 「再発のサイン」について
おはようございます🙏
今日はがっぷり四つに統合失調症の急性期の繰り返しについて、私(当事者)の場合を踏まえて書きたいと思います。
幻聴、妄想が主な症状ですが経験しないと(していても)あの頃がそうだったとなかなか思い出せないものです。それゆえ、担当医の先生にそれらを申告できないまま症状が悪化しがちです。
季節柄、うつ状態・うつ病の人も居ますがストレスに弱いのが引き金になるのは統合失調症も同じです。見ていただければと思います。
☆ 不眠が三日以上続く・発症当時を生々しく語り出す
こういうときは早めに休もうと遅めに休もうとダメなときはダメなんです、つまり睡眠時間が毎日3時間でも保ってしまうというときです。
若いときには毎日、就寝時刻が午前1時なんてざらでした。
しかし、それが続いたのは三十の峠を越えるときでした。忘れもしない一人暮らし、はじめてのことでこれも統合失調症の素質に火をつけるような出来事でした。
(生々しく語り出すのは症状の悪化のただ中にあるときです。この辺の表現は非常に難しいのですが、回復過程、リカバリーでの語りというのは症状ではなく一種のナラティブに近いものがあると私は思います。)リカバリーとは?
火をつけるというのは、スローバーンというのか、遅く広く燃え広がる様子です。幻覚、妄想に悩まされるうちに、寛解したときは治ったかのように思えます。じつは寛解は癌の場合と同じく、治るということはなくコントロールして付き合うしかないという属性です。状態というより障害として残って固定してしまうので属性といった方が正確かもしれません。
宮部みゆきの作品『模倣犯』の帯には、「まやかしの希望は絶望より邪悪だ」とあります。20年来当事者の私の口からも間違っても「治る」という表現は用いたくありません。
☆ 急に何かに焦り出す
行為には一回も及びませんでしたが、ネット婚活に何回も出入りしましたね。月会費なんか気にもかけずに。そうです、この気にかけないというところが曲者なのです。
急に仕事を辞めて学び直て周りを見返してやりたくなるとか、前後不覚になることも度々でした。ひとえに私の病前の性格では考えられないことでしたので、そういうときは残念ながら統合失調症が再発していたのですね。
その代償といっては何ですが、繰り返す度に抑うつ状態はひどくなるし、注意力や集中力は回復しにくくなりました。後遺障害になりそれが固定した格好なのです。これも精神科の専門用語では「予後不良」といいます。
私が前職を辞める決断を担当医の先生に促されたのはその頃です。
「障害者雇用にはどんな働き方がありますか」と先生に聞いたところ、短時間勤務でパートやアルバイト、清掃、バックヤードの仕事、簡単な事務などがありますよ、という話でした。肉親も同伴でその話を聞いていました。
後に就労移行支援事業所を起点として障害者としての働き方を実践することになったのですが、時給制で短時間、年収にして100万円前後というもので結局、車も手放すことになりました。足りない分を障害年金で補っていますが、障害者雇用で働いているだけで級が下がったりすることも知りました。そんなこんなで今は6年目です。
☆ どこか遠くへ出かけたくなる
就労移行支援事業所にいた頃、合間を見て土日休みに東京から名古屋まで弾丸ツアーを決行しました。しかも日帰りで持っていくおみやげは恋愛妄想。再発中の私は本当に救いがありませんよね。
その頃私は17年連れ添った先代の柴犬を寿命で失いました。ペットロスというのか、その頃は単純ミスが頻発しました。むしろ、柴ロスというより統合失調症が再発していたというのが正確だったようです。
そう見ていったほうが、日帰り弾丸ツアー恋愛妄想付きと単純ミス連発の説明がつくのです。
笠原壽先生の岩波新書『精神病』には、突然の失踪と自死は同質であるという意味の事が書いてありました。残念ながら統合失調症界隈でも自ら命を絶つケースや身体疾患から短命になるケースも珍しくないそうです。担当医の先生の勧めで通っている、地域活動支援センターでも見なくなってしまった人も珍しくありません。
☆ まとめに代えて
先ほどの本『精神病』にも、ある当事者夫婦の仲むつまじい晩年の生活が描かれていました。精神科訪問看護やホームヘルパーさんを頼むことがあるにせよ、パートナー、殊に同じ苦しみの分かるパートナーがいればなあと想うこともあります。仲間でなくても理解者であればいいのですが……。アラフィフで未婚の、私の心の声です。
2024/05/04 ここまで
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