イマキュレートダイセクション
こんばんは。
今回は最近学んだ「イマキュレートダイセクション」というプログラムについて書いていきます。
結論から言うと素晴らしいプログラムだなと個人的に感じ、今後も機会があれば学んでいきたい内容でした。
イマキュレートダイセクションという言葉を聞いたことの無い方も是非読んでいっていただけると幸いです。
イマキュレートダイセクション??
そもそもイマキュレートダイセクション(Immaculate dissection)とは何のことなのか。
直訳してみると「純粋な解剖」「純白な解剖」という意味になります。
その言葉が示す内容について僕が説明するよりも間違いない説明があるので引用させていただきます。
イマキュレートダイセクションは、パルペーション(触診)とコレクティブエクササイズの臨床的応用を適用することで、解剖学の理解を助けるために開発された教育プログラムです。視覚化と手で触る感覚を通して、構造解剖を学ぶことで、確固とした解剖学の知識の学習を助けることを目指しています。ボディペインティングを施したライブモデルを通して、解剖学が視覚化されることで、パルペーションも、よりしっかりとしたものになります。解剖学に注目をしたコレクティブエクササイズは、詳細な解説とデモによって提供され、また実際に経験をすることを通して学ぶことになります。
僕も今回初めてイマキュレートダイセクションというものを学びました。僕自身が言うのであれば、身体への直接的なボディペインティングを利用して視覚的に解剖学・機能解剖学を理解し、それを運動療法に応用するというものでした。
僕の感じた素晴らしいところ
冒頭にも述べた通り、僕はこの機会を通じてさらにこのプログラムの内容を学びたいという気持ちになりました。
具体的にどのようなところが良かったのか書いていきます。
ヒトを1つの全体的な、統合された生き物としてみれるようになる
そもそも以前からずっと「筋肉一つ一つの起始停止、作用、神経支配を覚える」という定番の解剖学の学び方はおかしいなと思っていました。
なぜならヒトの体を解剖して無数にある筋肉を分離し、それらを勝手に○○筋を呼び始めたのは人間であり、そもそもそんな筋肉など存在しないからです。
このような解剖学の学び方はヒトの体を理解するうえで私たちを要素還元的な思考に陥れ、ヒトを全体論・複雑系で捉えることを妨げます。
さらにこのような解剖学の学びは腱板損傷にはローテーターカフを鍛えればよいなどの要素還元的・直線的な思考を生み出す基となります。
しかし、このイマキュレートダイセクションでは筋肉を一つの分離したものとはとらえず、他の筋との関係性、筋膜との関係性、神経との関係性、機能の関係性などさまざまな関係性の観点から解剖学を解説します。
今回はコアがテーマだったので、内腹斜筋と腹横筋、前鋸筋と外腹斜筋、腸腰筋とこれらのコア筋群などが扱われました。
「筋肉は一つ一つ分離して記憶するものではない」ということを再認識できただけでも十分価値のあるものでした。
コアへの介入は必須
簡単に内容をまとめると、
外腹斜筋は前鋸筋を介して上肢の動きと連結しているし、
内腹斜筋や腹横筋は腸腰靭帯を介して腸骨筋と連結し、下肢の動きと関連している
つまり、下肢の問題(特に股関節レベル)や上肢の問題(肩・肩甲骨)においてもコアに問題がある可能性は十分にあり、むしろそのパターンの方が多い。
かなりざっくりとしたまとめです。
僕の今後に活かすこととしては
ヒトの体を一つの統合された構造物をみなし
肩や股関節の機能障害においても構造的・機能的に連結の有るコアを評価し、介入する視点を持つ
ということです。確かにこんな内容は今では当たり前のように言われていますが、実際にその意図を本質的に理解せずに言っている人も少なからずいると思います。
僕もそうでした。しかし、ボディペインティングを用いた解剖学によって少しは本質的にヒトの体がつながっていることが理解できたと思います。
終わりに 解剖学をおろそかにしてはいけない
身体に関わる人が初めに通過する解剖学という学問。
私たちが介入することが多い痛みに対してそもそも触診ができずに圧痛点が取れないようでは話にならないと思いますし、正しく解剖学が理解できなければ運動療法も再現性の低いものになってしまいます。
最近では機能神経学や内臓からのアプローチなど新しいアプローチ方法がたくさん出てきています。
しかし、私たちの最も基礎を形成している解剖学を立体的に統合的に理解することは何よりも重要ではないでしょうか?
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