新年のお菓子ガレット・デ・ロワ
明けましておめでとうございます。
こちらで記事を書くことにしました。
どうぞよろしくお願いします。
新年のお菓子「ガレット・デ・ロワ」
昨夜遅くまでかかって、焼き上げました。どうしても1月1日に作りたかったのです。結局完成したのは午前2時ごろでした。
焼き立てをそのまま部屋に放置して眠りに就いたのですが、朝起きて、日の光を浴びたガレット・デ・ロワの美しさに、「やっぱり夕べ焼いておいてよかった。」と思ったのでした。
「ガレット・デ・ロワ」とは?
フランスで、1月6日の「公現祭」(エピファニー)に食べられるお菓子です。フランスでは、12月の終わりごろから店に並び始め、1月の間中、家庭で食べられているそうです。
「ピティヴィエ」と「ガレット・デ・ロワ」
私がこのお菓子を知ったのは、河田勝彦さんの「フランス伝統菓子」(中央公論社)という本でした。
本の中の「ピティヴィエ」というお菓子の美しさに目を奪われ、書き添えられたコラムを読んでみると、「公現祭に食べられるガレット・デ・ロワとは似ているけれど異なるお菓子で、その違いがあやふやになってきていることが残念だ。」というような内容のお話だったように記憶しています。
この2つのどこが違うかというと、ピティヴィエの縁はガッと立ち上がっているのに対し、ガレット・デ・ロワはもっと平べったいお菓子である、とのことでした。
それを読み、見た目の美しさはピティヴィエだけど、お菓子の由来としてはガレット・デ・ロワの方が魅力的!という印象を持ち、以来、ピティヴィエをつくりつつも、「これはガレット・デ・ロワです。」と言って生徒さんや食べてくれる友人たちに言い続けています(笑)
シンプルで奥深い
ピティヴィエとガレット・デ・ロワ。どちらも2枚のパイ生地の間にクレームダマンド(アーモンドやバター、卵を練り混ぜたクリーム)を挟んで焼き上げる、という実にシンプルなお菓子です。
初めて作ったとき、成形の難しさに辟易しましたが、それなりに完成したものを食べて、おいしさと共に、フランス菓子の奥深さ、偉大さを思い知らされ、こんなお菓子を考えてしまうフランスってすごいな!と素直に感動しました。
あれから20数年の月日が流れ、毎年ガレットを作るたび、お菓子を作り始めたころの初心に立ち返ります。
アレンジガレット
ガレット・デ・ロワはシンプルな分、アレンジもしやすいお菓子で、今年は写真のような「ガレット・デ・ロワ・ピスターシュ」を作りました。
アーモンドクリームにバビのピスタチオペーストを練り込み、丁寧に仕込んだ折り込みパイ生地で挟んで焼き上げます。
ピスタチオとキルシュの香る、新年にふさわしい、リッチなガレットになりました。
折り込みパイ生地
パイ生地もちゃんと折り込みパイで作りました。
練りパイでも作れますが、やはり何層にもなったパイ生地の軽やかな食感と、こくのあるクリームとの相性は抜群です。
昨夜は夜遅くに作り始めたので、冷凍庫を使って時短で折り込みパイを仕込みました。折っては冷凍庫、折っては冷凍庫... これの繰り返しです。
ですが、どんなに時短にしても、仕込みから焼き上がるまでに3時間はかかってしまいます。
家庭で手作りのガレット・デ・ロワを楽しんでいただくには、やはり少しハードルの高いお菓子だな、と思いました。
フェーブ
ガレット・デ・ロワといえば欠かせないのがフェーブ。
クリームの中に埋め込んでおいて、切り分けたときにフェーブが入っていたら、その人はその日一日中王様になれるのです。
秋ごろになると、製菓材料や道具店でフェーブが売り出されるのですが、今年はうっかり買い損ねてしまったので、タブレットのチョコレートを埋め込みました。
フェーブにはフルーツやケーキ、ワイン、動物など、いろいろな形のものがありますが、人気のものはすぐに売り切れてしまうので、見つけたらすぐに買っておかないと出遅れてしまいます。来年は忘れずに購入します。
今年は健やかな一年が訪れることを願って、ガレット・デ・ロワのお話をさせていただきました。
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