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Road to the Sky

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レッドスピネル空軍基地にスクランブル発進の要請。第一戦闘配備に備えていた第一飛行戦隊・デスサーカスは即時応答していた。不穏な奇襲を仕掛けるローレンツ空軍の未確認機体。夜間戦闘とな… もっと読む
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2021年6月の記事一覧

05 スカイ・ロード

 ミサイルは吸い寄せられるかのように、尾翼へ向った。エンジンに命中したのか、それとも燃料オイルか。大爆発を起こした敵ステルス攻撃機は、機体の欠片を吹き飛ばしながら炎上する。  その風圧を利用して、再度カイザーの機体は上昇する。オーグメンターを使わない、ミリタリーパワーだけで上昇しているが、体にかかるGの圧力に瞬間的に息がつまった。  血液が下半身に集まっている。血の気が引いているのだろう。つっと冷たい気配を頭部に感じながら、カイザーの機体は上昇して旋回。ヘッドアップディスプレ

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04 スカイ・ロード

 この敵機は、ステレス性能を逆手に取った新型かもしれない。あえて通常の戦闘機を捕捉させて、こちらをおびき寄せ、そして奇襲のごとくレーダーに映らない闇から襲いかかる。  だが戦況がひっくり返るような状態ではない。精々びっくり箱を開けさせられた程度だ。  到底作戦と呼べる代物ではない。どうやら悪戯好きなトリッキーな連中が、面白半分でこちらをからかった結果だろう。 「っ!」  敵のアクティブレーダー誘導ミサイルを、ギリギリのタイミングで交わしたカイザーは、キャノピーの横を掠めるよう

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03 スカイ・ロード

 部下たちの低次元な口喧嘩を、よくこのGのかかる空間できるものだなと感心しつつ、しかしスコードロンエースとして、注意しないわけにはいかない。 「いい加減にしろ。勝ったほうに食わせてやるが、フォックスバッド、ドードー。おまえら二人はまず反省文だ」  そういうと、無線から二人の悲鳴に似た嘆きが聞こえた。カイザーは微かな笑みを一瞬だけ浮かべるが、すぐにそれは真剣な表情にかき消される。 「ドードー、ビッグベア、十時方向へ。フォックスバッド、サイレントは二時へ。レッドファング、ベルは三

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02 スカイ・ロード

 イヤホンから前線航空管制官からの発着許可のコールを聞くと共に、誘導員・マーシャラーが機体の誘導をタキシングで合図した。  ヘッドマウントシステムに敵航空機の情報が映し出されている。  予測していた敵の機体ではないらしいが、信号はローレンツ側のものであることが確認されていた。  機体を誘導路から滑走路へゆっくりとタキシングする。  その間も、次々に送り込まれてくる情報を読み取りながら、カイザーは小さな疑念を持つ。  敵の機体の移動速度が予想より速い。  敵の機体、恐らくFA-

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01 スカイ・ロード

『 ボギー、 ボギー! 第一飛行隊に発進要請。 敵航空機の可能性あり』  第一報が飛び込んできた瞬間、カイアナイト空軍レッドスピネル基地第一飛行隊エースのカイザー・オロフ・エルセン中佐は、それまで珈琲を飲みつつ、どこかぼんやりと航空雑誌を眺めていた表情を引き締めた。  それまではどこか茫洋した雰囲気で、スカイブルーの瞳をなんとはなしに雑誌に向けていたカイザーは、平時はどこか浮世離れしており、しかし一度機上の人となると鋭そうな印象を与える。そのため、長く一緒にいても、つかみどこ

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